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入稿とは?印刷データの渡し方と校正・校了までの流れをやさしく解説

公開日 |反響堂 代表デザイナー(歴22年)

チラシやパンフレットを印刷会社に頼もうとすると、「入稿」「校正」「校了」「アウトライン化」といった聞き慣れない言葉が出てきます。この記事では、入稿とは何かという基本から、入稿から納品までの流れ、データ形式の違い、入稿前に確認したいチェックリスト、よくあるトラブルと直し方までを、初めての方にも分かるようにやさしく解説します。

結論:入稿とは「印刷できる状態のデータを渡すこと」

入稿とは、印刷物のもとになるデータを、印刷会社に渡すことをいいます。もともとは出版の世界で、原稿を印刷所に入れることを指す言葉でした。今では、チラシやパンフレットのデータをWebでアップロードしたり、メールで送ったりすることも、まとめて「入稿」と呼んでいます。

ここで大切なのは、入稿するデータは「そのまま印刷できる状態」になっている必要があるということです。画面で見てきれいでも、サイズや色の設定、文字の扱いが印刷向けになっていないと、印刷会社から差し戻されたり、思っていたのと違う仕上がりになったりします。

この記事の要点

  • 入稿は、印刷できる状態に整えたデータを印刷会社に渡すこと
  • 校正は内容や色の確認、校了は「これで印刷してよい」という最終の了承
  • データ形式はPDFが一般的。印刷会社の指定に合わせる
  • サイズ・塗り足し・文字・画像・色の5つを入稿前に確認する

入稿から納品までの流れ(校正・校了・印刷)

入稿してから印刷物が届くまでは、一般的に次のような流れで進みます。

  1. 入稿:印刷用のデータを印刷会社に渡します。ネット印刷では、注文画面からデータをアップロードするのが一般的です。
  2. データチェック:印刷会社が、サイズや塗り足し、文字や画像に不備がないかを確認します。不備があれば連絡が来て、修正したデータを入稿し直します。
  3. 校正:印刷される内容を確認する工程です。画面で確認するものや、紙に出して色を確かめる色校正があります。
  4. 校了:内容に問題がないことを確認し、「これで印刷してください」と了承します。
  5. 印刷・加工:印刷し、決められたサイズに裁断します。折りや綴じがある場合は、その加工も行います。
  6. 納品:指定の場所に届けられます。

校正と校了の違い

校正は「確認して直す作業」、校了は「確認が終わり、印刷してよいと決めること」です。校了を出したあとに間違いが見つかっても、基本的には依頼した側の責任になります。校了の前には、日付や電話番号、料金など、間違えると困る情報をもう一度確認しましょう。

なお、印刷会社によっては「責了(責任校了)」という言葉が使われることもあります。これは、小さな修正が残っている状態で、その修正を印刷会社の責任で行うことを条件に校了とする、という意味です。

入稿データの形式(PDF・Illustrator・画像)

入稿できるデータの形式は、印刷会社によって異なります。主な形式と特徴は次のとおりです。

形式特徴注意点
PDF多くの印刷会社が対応。見た目を固定したまま渡せる印刷用の設定で書き出す。フォントが埋め込まれているか確認
Illustrator形式デザインの現場で広く使われる。細かな調整に強い文字のアウトライン化や、画像の埋め込みが必要なことが多い
画像形式(JPEG・PNGなど)写真1枚のような単純なデザインなら使える解像度とサイズに注意。文字が粗く見えることがある
Word・PowerPointなど対応している印刷会社もある環境によってレイアウトが崩れやすい。PDFにして入稿するのが無難

いちばん広く使われているのはPDF入稿です。PDFは、作ったソフトやパソコンの環境に関係なく、見た目をほぼそのまま相手に渡せます。ただし、画面用の設定で書き出したPDFは、画像の解像度が下がっていたり、色がRGBのままだったりすることがあります。印刷会社が推奨する書き出し設定があれば、それに合わせましょう。

入稿データのチェックリスト(サイズ・塗り足し・文字・画像)

入稿の前に、次の項目をひとつずつ確認しましょう。入稿データのチェックをしておくだけで、差し戻しや印刷のトラブルの多くを防げます。

  1. 仕上がりサイズは正しいか。A4なら210×297mm、B5なら182×257mmなど、注文するサイズと同じ大きさで作られているか確認します。
  2. 塗り足しは付いているか。背景や写真を端まで印刷する場合は、仕上がりサイズの外側に3mmずつ「塗り足し」を付けます。裁断のわずかなずれで、紙の白い部分が出るのを防ぐためです。
  3. 文字は端に寄りすぎていないか。文字やロゴなどの切れては困るものは、仕上がりの線から内側に3mm以上、できれば5mm程度離して配置します。
  4. フォントの問題はないか。文字がアウトライン化されているか、PDFにフォントが埋め込まれているかを確認します。
  5. 画像は埋め込まれているか。画像が別ファイルのままリンクされている場合は、埋め込むか、画像ファイルも一緒に入稿します。
  6. 画像の解像度は足りているか。実際に印刷する大きさで350dpi程度あるかを確認します。
  7. 色はCMYKになっているか。RGBのままだと、印刷時に色が変わることがあります。
  8. 細すぎる線はないか。極端に細い線は、印刷するとかすれたり消えたりすることがあります。

塗り足しと、裁断の目印になる「トンボ」については、塗り足しとトンボの基本で詳しく解説しています。

アウトライン化とは:文字化けを防ぐ処理

アウトライン化とは、デザインソフトの中の文字を、文字としての情報ではなく「図形」に変換する処理のことです。

デザインデータの中の文字は、パソコンに入っているフォントを使って表示されています。入稿先のパソコンに同じフォントが入っていないと、別のフォントに置きかわったり、文字化けしたりしてしまいます。文字を図形に変えておけば、どんな環境でも同じ見た目で表示できます。

ただし、アウトライン化した文字は、あとから文章を直すことができません。アウトライン化する前の元データは、必ず別に保存しておきましょう。PDFで入稿する場合は、アウトライン化の代わりに、フォントをPDFに埋め込む方法が使われることが一般的です。

画像の埋め込みとリンク

デザインソフトでは、写真などの画像を「リンク」で配置する方法と、「埋め込み」で配置する方法があります。リンクは、画像ファイルの場所を参照して表示しているだけなので、デザインデータだけを渡すと、相手の環境では画像が表示されません。入稿のときは、画像を埋め込むか、リンクしている画像ファイルをすべて一緒に渡す必要があります。

よくある入稿トラブルと直し方

入稿でよく起きるトラブルと、その直し方をまとめました。

トラブル主な原因直し方
端に白いすき間が出た塗り足しがない背景や写真を仕上がりの外側3mmまで伸ばす
文字が切れた文字が仕上がりの端に近すぎる文字を内側に移動する
文字が別の書体になったフォントが埋め込まれていないアウトライン化、またはフォントを埋め込んだPDFにする
写真がぼやけた解像度が足りない元の大きな写真に差しかえる
色がくすんだRGBのまま入稿したCMYKに変換し、色を調整する
画像が表示されないリンク画像を渡していない画像を埋め込むか、画像ファイルも一緒に渡す
白い文字や図形が消えた白に「重ねて印刷する」設定が付いているその設定を外す

色の違いについては、CMYKとRGBの違いで詳しく紹介しています。トラブルが起きたときは、慌てずに印刷会社からの連絡内容を確認し、どこを直せばよいかを一つずつ確かめましょう。

入稿できるデータ形式や推奨する設定、塗り足しの幅などは、印刷会社によって異なる場合があります。入稿前に、利用する印刷会社の入稿ガイドを必ず確認してください。

入稿のスケジュールと締め切りの考え方

入稿でもうひとつ気をつけたいのが、スケジュールです。ネット印刷では、「その日の何時までに入稿とデータチェックが完了したものを、何営業日後に出荷する」という形で納期が決まっていることが多くあります。締め切りの時刻を過ぎると、出荷が1日ずれるのが一般的です。

また、納期の数え方は「営業日」であることがほとんどです。土日や祝日、年末年始の休業日は数えないため、連休をはさむと思ったより届くのが遅くなります。

初めての入稿では、データの不備で差し戻しが入ることも珍しくありません。配布日やイベントの日から逆算し、差し戻しがあっても間に合うように、少なくとも1〜2日は余裕を持って入稿するのがおすすめです。入稿したデータのファイル名に日付を入れておくと、修正版と取り違える心配も減らせます。

デザイナーに頼めば入稿も任せられる

ここまでの内容を見て、「自分で全部そろえるのは難しそう」と感じた方も多いと思います。入稿データの作成は、印刷の知識が必要な作業です。デザインから印刷までまとめて頼めるデザイナーに依頼すれば、入稿データの作成や印刷会社とのやり取りも任せられます。

任せるときも、校了の判断だけは依頼する側の大事な役目です。日付や価格、電話番号など、事実に関わる情報は、最後に自分の目でも確認しましょう。

反響堂では、デザイナー歴22年の個人デザイナーが、印刷を前提にした入稿データまで作成します。デザイン料は税込でA4片面15,000円から、修正は同じ企画の範囲なら回数無制限です。印刷込みの場合、A4片面1,000部で19,500円(標準納期・コート90kg・送料込み、時期により変動する目安)です。ほかの条件は料金シミュレーターで確認できます。入稿データの不安も、LINEでお気軽にご相談ください。

よくある質問

入稿とはどういう意味ですか?

入稿とは、印刷物のもとになるデータを印刷会社に渡すことです。Webでのアップロードやメールでの送付も含めて入稿と呼びます。渡すデータは、サイズや塗り足し、色、文字の扱いが印刷向けに整った、そのまま印刷できる状態になっている必要があります。

校正と校了の違いは何ですか?

校正は、印刷される内容や色を確認して直す作業です。校了は、確認が終わり「これで印刷してよい」と了承することです。校了後に見つかった間違いは、基本的に依頼した側の責任になるため、校了の前に日付や電話番号などを必ず確認しましょう。

アウトライン化とは何ですか?

デザインデータの中の文字を、文字の情報ではなく図形に変換する処理です。入稿先の環境に同じフォントがなくても、文字化けや書体の置きかわりを防げます。変換後は文章を直せなくなるため、変換前の元データは必ず別に保存しておきましょう。

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