チラシを印刷するとき、紙の種類や厚さの選択肢が多くて迷った経験はありませんか。チラシの紙質は、見た目の印象だけでなく、手に取ったときの感触や、書き込みやすさ、費用にも関わります。この記事では、コート紙・マット紙・上質紙の違い、紙の厚さを表す「kg」の意味、用途別の選び方、屋外で使える紙や加工の種類まで、はじめての方にも分かるように整理しました。
結論:チラシの紙質で迷ったらコート紙90kg、上品に見せたいならマット紙
チラシの紙質で迷ったら、まずは「コート紙の90kg」を選べば大きく外すことはありません。コート紙は表面がつるつるとした光沢のある紙で、写真や色が鮮やかに出ます。90kgは、ポスティングや店頭配布でよく使われる標準的な厚さです。
一方、落ち着いた上品な雰囲気を出したい場合や、文字をじっくり読ませたい場合は、光沢を抑えたマット紙が向いています。申込書やアンケートのように書き込んでもらうチラシなら、上質紙を選ぶのが基本です。
迷ったときの選び方
- 写真を鮮やかに見せたい・一般的なチラシ → コート紙
- 上品・落ち着いた印象、文字が多い → マット紙
- 書き込んでもらう、ナチュラルな雰囲気 → 上質紙
- 厚さの基本は90kg。しっかり感を出したいなら110kg以上
チラシの紙の種類と特徴の比較表
チラシによく使われる紙の種類を比べてみましょう。紙の名前は印刷会社によって多少異なりますが、大きくは次のように分けられます。
| 紙の種類 | 見た目・手ざわり | 向いている用途 | 書き込み |
|---|---|---|---|
| コート紙 | 光沢があり、つるつる。写真や色が鮮やか | 一般的なチラシ、飲食店・不動産など写真が多いもの | ボールペンや鉛筆は書きにくい |
| マット紙 | 光沢を抑えたしっとりした質感。落ち着いた印象 | サロン、クリニック、住宅、文字が多いチラシ | コート紙よりは書きやすいが、筆記具によってはなじみにくい |
| 上質紙 | 表面に加工のないさらっとした紙。コピー用紙に近い | 申込書、アンケート、クーポン、学習塾の案内 | 鉛筆やボールペンで書きやすい |
| ユポなどの合成紙 | プラスチック系の素材で、水や破れに強い | 屋外の掲示、メニュー表、水回りで使うもの | 筆記具によっては書きにくい |
コート紙とマット紙の違い
コート紙とマット紙は、どちらも紙の表面に塗料を塗って(コーティングして)なめらかにした紙です。違いは光沢の強さにあります。コート紙は光沢が強く、写真の色が鮮やかでメリハリのある仕上がりになります。マット紙は光沢を抑えているため、光の反射が少なく、文字が読みやすいのが特徴です。
同じデザインでも、コート紙に刷るとにぎやかで元気な印象、マット紙に刷ると落ち着いた上品な印象になります。セールや新メニューの告知のように勢いを出したいならコート紙、高級感や信頼感を大切にしたいならマット紙、と考えると選びやすいでしょう。なお、マット紙に近い紙として、光沢が控えめな「マットコート紙」「ダルコート紙」などの名前で扱われている紙もあります。
上質紙とは
上質紙とは、表面に塗料を塗っていない紙のことで、コピー用紙やノートの紙に近い質感です。インクが紙にしみこむため、コート紙と比べると写真の色はやや沈んだ、やわらかい印象になります。その代わり、鉛筆やボールペンで書き込みやすく、ナチュラルで素朴な雰囲気を出したいときにも向いています。
チラシの紙の厚さ:kg(斤量)の意味と用途別の目安
チラシの紙の厚さは、「90kg」「110kg」のように「kg」で表されることが一般的です。これは紙1枚の重さではなく、「決められた大きさの原紙を1,000枚重ねたときの重さ」を表しています。この数字は連量(れんりょう)や斤量(きんりょう)と呼ばれます。
基準になる原紙の大きさには、主に「四六判(788×1091mm)」と「菊判(636×939mm)」があります。一般的なネット印刷などでは四六判の重さで表記されることが多く、コート紙の90kgは、1平方メートルあたりおよそ105g程度に相当します。同じ「kg」でも基準が違うと数字が変わるため、比べるときは同じ印刷会社の表記どうしで比べるようにしましょう。
基本的には、数字が大きいほど紙は厚く、重くなります。ただし、同じ数字でも紙の種類によって実際の厚みや手ざわりは少しずつ異なります。
| 厚さ(四六判の目安) | 手ざわり | 主な用途 |
|---|---|---|
| 73kg前後 | 薄く、やわらかい | 新聞折込、大量に配るチラシ |
| 90kg | 一般的なチラシの厚さ | ポスティング、店頭配布、手配り |
| 110kg | 少ししっかりした感触 | しっかり見せたいチラシ、パンフレットの中面 |
| 135kg | 厚手でハリがある | ポスター、パンフレットの表紙、店頭で長く使う案内 |
| 180kg前後 | はがきに近い厚み | DMはがき、ショップカード、クーポン |
厚ければよいわけではない
厚い紙は高級感が出ますが、紙代が上がるうえ、枚数が多いと重くなり、配布や郵送の費用に影響することもあります。新聞折込では、折込を扱う販売店側で紙の厚さや大きさに条件が設けられている場合があるため、事前に確認が必要です。また、厚い紙を折り加工すると、折り目の部分がひび割れのように白く見えることがあります。パンフレットなど折りのある印刷物では、厚さと加工の相性も考えましょう。
はがきとして郵送するDMの場合は、大きさや重さ、紙の強さなどについて郵便の決まりがあります。一般に180kg前後の厚手の紙が使われますが、発送前に郵便局の最新の規定を確認してください。DMの作り方についてはDMの作り方でも紹介しています。
書き込みが必要なチラシ・DMに向く紙
申込書やアンケート、来店時に名前を書いてもらうクーポンなど、お客様に書き込んでもらうチラシでは、紙選びが特に大切です。コート紙は表面がなめらかなため、鉛筆だと書きにくく、ボールペンでもインクが乾きにくかったり、かすれたりすることがあります。
書き込みが前提のチラシなら、上質紙を選ぶのが基本です。どうしても写真を鮮やかに見せたい場合は、一般的なチラシ印刷では表と裏で別の紙を選べないため、書き込み欄の部分を別紙にする、書き込み欄をできるだけシンプルにするなどの工夫が考えられます。また、郵便はがきのDMで宛名面に手書きしたり、スタンプを押したりする予定がある場合も、表面の加工を含めて事前に確認しておくと安心です。
水や屋外に強い紙(ユポなど)
屋外に貼るポスターや、水回りで使うメニュー表、雨の日のイベントで配る案内などでは、普通の紙だと水にぬれて破れたり、よれたりしてしまいます。こうした場面で使われるのが、ユポ紙に代表される合成紙です。
合成紙はプラスチック系の素材で作られていて、水に強く、手で引っ張っても破れにくいのが特徴です。屋外の掲示物や、繰り返し手に取られるメニュー表、ラベルなどに向いています。ただし、一般的な紙より価格は高めで、扱っている印刷会社や対応できる印刷方式も限られます。また、屋外で長期間使う場合は、日光による色あせにも注意が必要です。
加工の種類:PP加工・ニス・箔押し
紙の選び方とあわせて知っておきたいのが、印刷後に施す加工です。代表的なものを紹介します。
PP加工
PP加工とは、印刷した紙の表面に薄いフィルムを貼り合わせる加工です。光沢のある「グロスPP」と、つや消しの「マットPP」があります。水や汚れ、こすれに強くなり、色も保護されるため、メニュー表やパンフレットの表紙、長く使うカードなどによく使われます。一方、表面がフィルムになるため、書き込みはしにくくなります。
ニス引き
ニス引きは、印刷面に透明のニスを塗る加工です。PP加工ほどの強さはありませんが、こすれによるインクのはがれを抑えたり、光沢を出したりできます。部分的にニスをのせて、ロゴや写真だけをつやつやにする表現もあります。
箔押し
箔押しは、金や銀などの箔を熱と圧力で紙に転写する加工です。ロゴや店名を金色に光らせることで、高級感や特別感を演出できます。記念品の案内や、高価格帯のサービスのパンフレットなどに使われます。
どの加工も、費用がかかるだけでなく、印刷の納期が数日延びることがあります。配布日が決まっている場合は、加工の日数も含めてスケジュールを立てましょう。
紙で印象と反響はどう変わるか
紙の種類や厚さは、チラシの第一印象を左右します。薄い紙は気軽に手に取れる一方、少し軽い印象になることもあります。厚みのある紙やマット紙は、手に持った瞬間に「しっかりした会社・お店」という印象を与えやすくなります。
ただし、紙を良くしただけで反響が大きく変わるとは限りません。チラシの反響は、配るエリアや内容、見出しの分かりやすさなど、多くの要素で決まります。紙は、チラシの内容と、読んでほしい相手のイメージに合わせて選ぶものと考えましょう。たとえば、価格の安さを伝えるチラシに高級な紙を使うと、かえって「高そう」と受け取られることもあります。
- チラシの目的と、読む人のイメージを決める
- 写真重視ならコート紙、文字や上品さ重視ならマット紙、書き込みがあるなら上質紙を選ぶ
- 配り方(折込・ポスティング・手渡し・郵送)に合った厚さを選ぶ
- 必要なら加工を加え、費用と納期を確認する
迷ったときは、印刷会社の紙見本を取り寄せて、実際に手に取って比べるのがいちばん確実です。印刷方式による違いはオフセット印刷とオンデマンド印刷の違いで解説しています。
反響堂に頼む場合の目安
反響堂では、チラシの内容や配り方に合わせて、紙の種類や厚さのご相談もお受けしています。デザイン料は税込でA4片面15,000円からの定額です。印刷込みの場合、コート紙90kg・標準納期で、A4片面1,000部19,500円(税込・送料込み・時期により変動する目安)です。紙選びに迷ったら、LINEやメールでお気軽にご相談ください。費用の目安は料金シミュレーターで確認できます。
よくある質問
コート紙とマット紙はどちらがチラシに向いていますか?
写真を鮮やかに見せたい一般的なチラシならコート紙、落ち着いた上品な印象にしたい場合や文字が多いチラシならマット紙が向いています。迷ったら、まずはコート紙の90kgが基本です。
紙の厚さの「kg」は何を表していますか?
決められた大きさの原紙を1,000枚重ねたときの重さを表しています。一般的には四六判(788×1091mm)が基準で、数字が大きいほど紙は厚く重くなります。基準の判型が違うと数字も変わるため、同じ印刷会社の表記どうしで比べましょう。
書き込んでもらうチラシにはどの紙がいいですか?
申込書やアンケートなど書き込みが前提のチラシには、表面に塗料を塗っていない上質紙が向いています。鉛筆やボールペンで書きやすく、インクもなじみやすいのが特徴です。