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メニュー表の作り方|選ばれやすい配置・写真の見せ方・価格表示のコツ

公開日 |反響堂 代表デザイナー(歴22年)

メニュー表は、お店の中でお客様がいちばん長く見つめる印刷物です。料理の味は変えなくても、メニュー表の見せ方を変えるだけで、選ばれる料理や注文の迷いやすさは変わります。この記事では、メニュー表の作り方を、種類ごとの役割、お客様の目線に合わせた配置、写真の撮り方、税込の価格表示、アレルギー表示の考え方、汚れに強い紙の選び方まで、順を追って解説します。

結論:メニュー表の作り方は「目線の動き」と「おすすめの見せ方」で決まる

メニュー表の作り方で押さえたいポイントは、大きく2つです。1つは、お客様の目線がどう動くかを考えて、売りたい料理を目につく場所に置くこと。もう1つは、「このお店のおすすめはこれ」とはっきり伝えることです。

メニューをすべて同じ大きさで並べると、お客様はどれを選べばよいか迷い、結局いつもと同じ無難な料理を選びがちです。反対に、看板料理を写真つきで大きく見せ、ほかの料理を整理して並べれば、注文までの時間が短くなり、お店が自信を持っている料理も選ばれやすくなります。客単価や回転率にも影響するため、メニュー表は「料理の一覧」ではなく「お店の営業ツール」と考えるのがおすすめです。

この記事の要点

  • グランド・ランチ・卓上・テイクアウトでメニュー表の役割は違う
  • 最初に目が行く場所に、看板料理やおすすめを写真つきで置く
  • 品数を詰め込みすぎず、カテゴリごとに整理する
  • 消費者向けの価格は税込の総額で表示する
  • 厨房や客席で使うものは、水や油に強い紙・加工を選ぶ

メニュー表の種類(グランド・ランチ・卓上・テイクアウト)

ひと口にメニュー表といっても、使う場面によって求められる役割が違います。まずは、どの種類のメニュー表を作るのかをはっきりさせましょう。

種類主な役割よくある形作るときのポイント
グランドメニューお店の全料理を紹介する基本のメニュー冊子型、ブック型、A4やA3の二つ折りカテゴリ分けと目次の分かりやすさ。長く使うので耐久性も重視
ランチメニュー昼の限られた時間で素早く選んでもらうA4やA5の1枚もの品数を絞り、写真と価格をひと目で比べられるように
卓上メニュー追加注文や季節の料理・ドリンクをすすめる三角POP、スタンド型、はがき〜A5サイズ1つか2つに絞って大きく見せる。客席から読める文字の大きさに
テイクアウトメニュー持ち帰り・電話注文用に配るA4片面・両面、三つ折り電話番号、受付時間、受け取り方法、店の地図を必ず入れる

グランドメニューは「探しやすさ」が命

グランドメニューは品数が多くなるため、前菜、メイン、ご飯もの、デザート、ドリンクのように、カテゴリごとにページや区画を分けて整理します。お客様が「今どこを見ているか」が分かるよう、カテゴリ名は大きく、色や線で区切りをはっきりさせましょう。

グランドメニューは長く使うものなので、価格改定や品目の入れ替えがしやすい作りにしておくことも大切です。季節の料理や日替わりは別紙の差し込みや卓上メニューに分けると、グランドメニュー本体を刷り直す回数を減らせます。

ランチ・卓上・テイクアウトは「絞る」が基本

ランチメニューや卓上メニューは、限られた時間や小さな面積で決めてもらう必要があります。品数を欲張らず、写真・料理名・価格の3点がひと目で分かるように並べるのが基本です。

テイクアウトメニューは、お店の外で読まれる印刷物です。ポスティングや店頭配布を考えるなら、チラシの作り方に近い考え方になります。飲食店のチラシ全般については飲食店のチラシの作り方も参考にしてください。

お客様の目線と、売りたい料理の配置

メニュー表のデザインで最も効果が出やすいのが、配置の工夫です。人がメニューを開いたときの目線の動きには、ある程度の傾向があります。

1枚もののメニューは「左上から」読まれやすい

横書きの日本語に慣れている人は、1枚の紙を見るとき、左上から右へ、そして下へと目を動かす傾向があるといわれます。そのため、1枚もののメニューでは、左上や上段に看板料理やおすすめを置くと目にとまりやすくなります。

見開きのメニューは「中央から右上」に注目が集まりやすい

二つ折りや冊子の見開きメニューでは、開いた瞬間に中央付近から右ページの上のほうへ目が向かいやすいといわれます。お店が最もすすめたい料理は、この位置に写真つきで大きく配置するのが定番です。ただし、これはあくまで一般的な傾向で、デザイン全体のバランスによって目線の流れは変わります。

おすすめを「特別扱い」して見せる

目線の動きに加えて、次のような工夫で「特別な料理」であることを示すと、選ばれやすくなります。

  • 写真を大きくする、枠で囲む、背景に色を敷く
  • 「店長のおすすめ」「当店の人気」などのひと言を添える
  • 料理名の下に、味や食材、こだわりを1〜2行で説明する
  • カテゴリの先頭か末尾など、目につきやすい位置に置く

ただし、「人気ナンバーワン」「売上1位」のような順位を示す表現は、実際の注文数など根拠があるときだけ使いましょう。根拠のない表現は、お客様の信頼を損なうおそれがあります。

価格の並べ方と選びやすさ

価格の違うコースやセットを並べるときは、3段階に分けると選びやすいといわれます。一般に、高すぎず安すぎない真ん中のものが選ばれやすい傾向があるとされるため、いちばんすすめたいセットを中間の価格帯にする、という考え方がよく使われます。

また、価格を右端にそろえて縦一列に並べると、お客様は価格だけを見比べて安いものを選びがちになります。料理名と説明を読んでから価格が目に入るよう、説明文のすぐ後ろに価格を置く並べ方も検討してみてください。

品数は「迷わない量」に

選択肢が多すぎると、人は選ぶこと自体に疲れてしまいます。1つのカテゴリに料理がずらりと並んでいる場合は、写真つきの「おすすめ枠」と、文字だけの「そのほかのメニュー」に分けると、ぐっと見やすくなります。

写真の撮り方と載せ方

メニュー表の印象を大きく左右するのが写真です。プロのカメラマンに頼むのが理想ですが、ポイントを押さえればスマホでも十分使える写真が撮れます。

  1. 自然光で撮る:窓際で、直射日光ではなくやわらかい光が入る時間帯に撮ると、料理の色がきれいに出ます。店内の照明だけだと、黄色っぽくなったり影が強く出たりしがちです。
  2. 料理に合った角度で撮る:丼や定食、パフェなど高さのある料理は斜め上から、ピザや和定食のお膳など平たいものは真上から撮ると、形が伝わりやすくなります。
  3. できたてを撮る:湯気やつやは時間とともに失われます。撮影用に1品ずつ作り、すぐに撮るのがコツです。
  4. 背景をすっきりさせる:調味料やおしぼりなど、料理以外のものが写り込まないようにします。
  5. 印刷に使える大きさで撮る:スマホの画質設定を最高にし、ズームは使わず近づいて撮ります。印刷では原寸で350dpi程度の解像度が目安です。

写真を載せるときは、同じカテゴリの料理は同じ角度・同じ明るさにそろえると、メニュー全体に統一感が出ます。また、写真と実際の料理が大きく違うと、お客様をがっかりさせてしまいます。盛り付けや量は、実際に提供するものに合わせて撮影しましょう。写真の扱い方はチラシに使う写真のコツでも詳しく紹介しています。

価格の書き方(税込表示のルール)

メニュー表の価格表示で気をつけたいのが、消費税の扱いです。消費者に向けて商品やサービスの価格を表示する場合、消費税を含めた総額を表示すること(総額表示)が義務づけられています。

総額が分かれば、書き方にはいくつかの方法があります。

表示の例総額表示として
1,100円税込の総額なので問題ない
1,100円(税込)問題ない
1,100円(税抜1,000円)総額が示されているので問題ない
1,000円(税込1,100円)総額が示されているので問題ない
1,000円(税抜)総額が分からないため、総額表示にならない

飲食店で気をつけたいのは、店内で食べる場合(標準税率10%)と持ち帰りの場合(軽減税率8%)で税率が異なることです。同じ料理でも、店内とテイクアウトで税込価格が変わります。メニュー表では、両方の税込価格を並べて書く方法や、どちらの場合も同じ税込価格になるように設定する方法などがあります。どの方法を選ぶかはお店の方針次第ですが、お客様が支払う金額がはっきり分かる書き方にしましょう。

価格の数字は、料理名よりも少し小さめにし、書体をそろえると上品にまとまります。「円」をつけるか、数字だけにするかは、お店の雰囲気に合わせて統一してください。

アレルギー・原産地などの表示で気をつけたいこと

近年は、食物アレルギーや食材の産地を気にするお客様が増えています。メニュー表にどこまで載せるかも、あらかじめ考えておきましょう。

アレルギーの情報

容器包装された加工食品には、食品表示のルールでアレルギー物質の表示が義務づけられています。一方、店内で調理して提供する外食のメニューは、一般にこの表示義務の対象外とされています。ただし、お客様の安全のために、自主的に情報を提供することが望ましいとされています。

メニュー表に載せる場合は、包装された食品で表示が義務づけられている特定原材料(えび・かに・くるみ・カシューナッツ・小麦・そば・卵・乳・落花生の9品目。カシューナッツは2026年4月に追加)を中心に、アイコンや一覧表で示す方法が分かりやすいでしょう。ただし、同じ厨房で調理するため、ほかの料理の食材が混ざる可能性がある場合は、その旨も書き添えます。「詳しくはスタッフにお尋ねください」と案内し、スタッフが答えられる体制を整えておくことも大切です。

原産地や食材の表示

「国産牛使用」「地元産の野菜」など、産地や食材の表示はお店のこだわりを伝える良い材料です。外食の原料原産地の表示は、国のガイドラインに沿った自主的な取り組みとされていますが、表示するなら事実どおりであることが大前提です。仕入れ先が変わったときに、メニュー表の表示を直し忘れないよう注意しましょう。

また、実際より著しく良く見せる表示は、景品表示法などのルールに反するおそれがあります。「特選」「極上」などの言葉を使うときも、裏付けがあるかを確認してから載せるのが安心です。

本記事は一般的な情報で、法的助言ではありません。最新の制度・個別の判断は公式情報や専門家にご確認ください。価格表示やアレルギー表示、原産地表示のルールは、国税庁や消費者庁、農林水産省などの公式情報で最新の内容を確認してください。

紙と加工の選び方(汚れに強い仕様)

メニュー表は、濡れた手や油のついた指でさわられる、テーブルの上で水がこぼれるなど、ほかの印刷物よりも過酷な環境で使われます。用途に合わせて、紙や加工を選びましょう。

仕様特徴向いているメニュー
普通紙(コート紙など)安価で写真がきれい。水や汚れには弱いテイクアウトメニュー、短期間の限定メニュー
厚手の紙+PP加工表面に薄いフィルムを貼り、水や汚れを拭き取れるランチメニュー、卓上メニュー
ラミネート加工全体をフィルムで包む。水にとても強いが、少し厚く硬くなるグランドメニュー、屋外席のメニュー
合成紙(耐水紙)樹脂を原料にした紙で、水に濡れても破れにくいグランドメニュー、汚れやすい場所のメニュー

長く使うグランドメニューは、PP加工やラミネート加工、合成紙など、拭き取れる仕様がおすすめです。一方、価格改定や季節の入れ替えが多いメニューは、あえて安価な紙で刷り、こまめに作り直すほうが結果的にきれいな状態を保てます。

サイズは、テーブルの広さも考えて決めましょう。大きすぎるメニューは、料理やグラスが並んだテーブルで広げにくくなります。卓上メニューなら、はがきサイズ(100×148mm)からA5(148×210mm)程度が扱いやすい大きさです。

メニュー表のテンプレートを使うときの注意点

メニュー表のテンプレートを使えば、デザインの経験がなくても形にはなります。ただし、テンプレートはあくまで「誰にでも合う型」なので、次の点に気をつけて使いましょう。

  • 文字の大きさを確認する:店内の照明が暗めのお店や、年配のお客様が多いお店では、テンプレートの文字が小さすぎることがあります。
  • 品数に合わせて枠を調整する:テンプレートの枠に合わせて品数を増減させるのではなく、お店の品数に合わせて枠を直します。
  • お店らしさを出す:色や書体を、看板や内装の雰囲気に合わせると、お店の印象がそろいます。
  • 印刷用の設定を確認する:印刷所に入稿するなら、塗り足し3mm、CMYK、画像の解像度などが印刷に対応しているかを確かめます。

外国人のお客様が多いお店では、料理名に英語を添えたり、辛さや肉の種類をアイコンで示したりするのも喜ばれます。何を優先するかは客層によって変わるので、実際にお客様からよく聞かれる質問を書き出してみると、メニュー表に載せるべき情報が見えてきます。

反響堂でメニュー表を作る場合

反響堂では、デザイナー歴22年の個人デザイナーが、お店の看板料理や客層を伺いながらメニュー表を直接デザインします。デザイン料は税込でA4片面15,000円・両面25,000円、A3片面25,000円、A4二つ折り35,000円、卓上向けのはがきサイズ片面8,000円などが目安です。修正は同じ企画の範囲なら回数無制限なので、価格や品目の細かな調整も遠慮なくご相談いただけます。飲食店向けの制作例は飲食店のチラシ制作ページ、費用は料金シミュレーターでご確認ください。

よくある質問

メニュー表のおすすめ料理はどこに配置すればよいですか?

1枚もののメニューなら、左上や上段など最初に目が行きやすい位置、見開きのメニューなら中央から右上あたりが目にとまりやすいといわれます。写真を大きくしたり枠で囲んだりして特別扱いすると、さらに伝わりやすくなります。

メニューの価格は税込で書かないといけませんか?

消費者に向けた価格表示は、消費税を含めた総額で表示することが義務づけられています。「1,100円(税込)」や「1,000円(税込1,100円)」のように総額が分かる書き方にしましょう。店内飲食と持ち帰りで税率が異なる点にも注意が必要です。

汚れに強いメニュー表にするにはどうすればよいですか?

表面にフィルムを貼るPP加工や、全体を包むラミネート加工、水に強い合成紙を使う方法があります。長く使うグランドメニューには耐久性の高い仕様、入れ替えの多いメニューには安価な紙でこまめに刷り直す方法がおすすめです。

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