
「チラシに『休診日』と書いてもいいの?」「整体院なら『腰痛・肩こりでお悩みの方へ』は使える?」。2025年2月、厚生労働省が施術所の広告について新しいガイドラインをまとめ、整骨院・鍼灸院だけでなく、整体院などの広告の考え方も示されました。この記事では、ガイドラインの本文と法律の条文を確認しながら、業態別に載せてよい項目、そのまま使える言い換え、制作者も一緒に確認すべき理由、入稿前のチェックリストを、チラシ制作の現場の目線でまとめました。
結論:業態によって「書いてよいこと」の決まり方が違う
整骨院・接骨院、鍼灸院・マッサージ院、整体院。同じ「体のケア」のお店でも、どの資格に基づいて営業しているかで、チラシに書いてよいことの決まり方がまったく違います。
令和7年(2025年)2月18日付けで、厚生労働省は「あはき・柔整広告ガイドライン」(正式名は「あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業若しくは柔道整復業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項等及び広告適正化のための指導等に関する指針」)をまとめました。国家資格の施術所の広告だけでなく、整体など国家資格によらない施術の広告についても、載せるべきでない内容が示されています。この記事では、ガイドラインの本文と法律の条文を確認しながら、チラシづくりで押さえたい点を整理しました。本文中の「Ⅲ-3(4)」などは、ガイドラインの項目番号です。
この記事の要点
- 整骨院・接骨院(柔道整復師法第24条)と鍼灸院・マッサージ院(あはき法第7条)は、法律と告示に書かれた項目以外は広告できない
- 国家資格の施術所では、「休診日」「診療時間」「初診」など「診」の字を使う表記は不可。「休療日」「施術時間」「初検」などに言い換える
- 整体院など国家資格によらない施術でも、「腰痛」「膝の痛み」などの痛みの症状や、慢性の肩こり・疲労への施術を表す表現は、広告に載せるべきでないとされている
- チラシを作る制作者も、違反があれば広告依頼者とともに指導等の対象になり得る。依頼する側と作る側で一緒に確認するのが基本
業態別「載せてよい項目」早見表
まずは、自分の施術所がどの業態に当たるかを確かめましょう。整骨院・接骨院は柔道整復師、鍼灸院・マッサージ院は、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師という国家資格に基づく施術所です。整体院やカイロプラクティックなどは国家資格によらない施術で、ガイドラインでは、こうした施術を行う人を「無資格者」と呼んでいます。柔道整復師などの免許を持っていても、免許に係る業以外の施術(たとえば整体)を提供する場合は、こちらに含まれます(Ⅰ-1)。
下の表は、チラシによく載せる項目が業態ごとにどう扱われるかをまとめたものです。国家資格の施術所の欄は、法律と告示で広告できるとされた項目かどうか、整体院などの欄は、ガイドラインⅦで「載せるべきでない」とされた内容に当たるかどうかで整理しています。
| 項目 | 整骨院・接骨院(柔道整復) | 鍼灸院・マッサージ院(あはき) | 整体院など | 該当箇所 |
|---|---|---|---|---|
| 資格と氏名 | ○「柔道整復師(国家資格保有)」と氏名 | ○「はり師(国家資格保有)」など | △ 国家資格の施術と誤認させる書き方はしない | Ⅲ-3(1)、Ⅶ-3(6) |
| 「整体」「カイロ」などの業務名・民間資格 | × 載せられない | × 載せられない | ○ 国家資格の施術と誤認させない形で | Ⅲ-3(1)② |
| 施術所の名称 | △ 決められた付け方の範囲で | △ 決められた付け方の範囲で | △ 医療機関や国家資格の施術所と紛らわしくしない | Ⅲ-3(2)、Ⅶ-3(6) |
| 電話・所在地・地図・QRコード | ○ 受付時間、道順、地図、URLも可。語呂合わせのルビは不可 | ○ 同左 | ○ | Ⅲ-3(3) |
| 施術日・施術時間・休み | ○「休療日」「施術時間」。「診」の字は不可 | ○ 同左 | ○ 医療と紛らわしい言葉は避ける | Ⅲ-3(4) |
| 予約制・休日や夜間の施術 | ○ | ○ | ○ | Ⅲ-4(3) |
| 出張施術 | ○ 範囲・時間・施術者名。「往療」「訪問施術」は可、「往診」は不可 | ○ 同左 | ○ | Ⅲ-4(4) |
| 駐車場 | ○ 有無・場所・写真・台数・料金 | ○ 同左 | ○ | Ⅲ-4(5) |
| 開設届出をした旨 | ○「○月○日 ○○県 開設届出済」。「認可」「許可」は不可 | ○ 同左 | ― | Ⅲ-4(1) |
| 医療保険(療養費) | △ 脱臼・骨折の施術の申請に医師の同意が必要な旨を明示 | △ 医師の同意が必要な旨を明示 | ― | Ⅲ-4(2) |
| 施術料金・割引 | × 告示の項目にない(駐車料金のみ可) | × 同左 | ○ 安さを過度に強調しない | Ⅲ-1、Ⅶ-3(4) |
| 症状名・効果 | × 載せられない | × 載せられない | × 痛みの症状や慢性の肩こり・疲労への施術の表現も載せない | Ⅲ-1、Ⅱ-3、Ⅶ-3(6) |
| 技能・施術方法・経歴 | × 載せられない | × 載せられない | △ 証明できない内容や、他より優れていると示す内容は載せない | Ⅳ-1(2)、Ⅶ-3(1)(2) |
| 体験談・施術前後の写真 | × 載せられない | × 載せられない | △ 効果を暗示するため避ける | Ⅱ-3、Ⅱ-6(3)、Ⅶ-3(1) |
| 「No.1」「県内唯一」・雑誌掲載 | × 載せられない | × 載せられない | × 他との比較で優良性を示すものは載せない | Ⅱ-3、Ⅳ-3(2)、Ⅶ-3(2) |
○=載せてよい、△=条件つき、×=載せられない(載せるべきでない)、―=該当しない、の目安です。
国家資格の施術所は「書いてよい項目」以外は書けない
柔道整復師法第24条とあはき法第7条は、「何人も」決められた事項以外を広告してはならないと定めています。広告できるのは、資格と氏名、施術所の名称・電話番号・所在地、施術日・施術時間、そして厚生労働大臣が告示で指定した事項です(柔道整復は平成11年厚生省告示第70号、あはきは同第69号)。告示で指定されているのは、開設届出をした旨、医療保険療養費支給申請ができる旨(条件つき)、予約に基づく施術、休日・夜間の施術、出張による施術、駐車設備に関する事項などです。このほか柔道整復では「ほねつぎ(又は接骨)」、あはきでは「もみりようじ」「やいと、えつ」「小児鍼」も含まれます(Ⅲ-1)。
さらに、資格・氏名・名称などを書く場合でも、施術者の技能、施術方法、経歴にわたる内容は書けません(Ⅳ-1(2))。ガイドラインでは、「高い技術」「痛くない鍼」「○○流指圧」や、「○○研修修了」「○○学会会員」「○○(有名人)のトレーナー」などが例として挙げられています。
違反した場合の罰則は、どちらも30万円以下の罰金です(柔道整復師法第30条第5号、あはき法第13条の8第1号)。条文は、e-Gov法令検索の柔道整復師法とあはき法で確認できます。
施術所の名称にも決まりがある
ガイドラインは、名称は利用者が施術所を選ぶうえで大事な情報だとして、国家資格保有者による業態であること、届出済みで適法であること、医療機関と紛らわしくないことが分かる名称を求めています(Ⅲ-3(2))。
- 広告できる名称の例:「○○施術所(院)」「○○鍼灸治療院」「はり・きゅう○○」、併設している場合の「○○接骨院・鍼灸院」など
- 広告できない名称の例:「クリニック」「メディカル」「リハビリ」、業態を含まない「○○治療院」など医療機関と紛らわしいもの/「整体」「カイロプラクティック」「リラクゼーション」など他の業態と紛らわしいもの/「○○鍼灸接骨院」のように業態が混ざったもの/「交通事故専門」「スポーツ」「美容」など対象者を限定するもの/「骨盤矯正」「姿勢改善」など効能を含むもの/「○○堂」「○○センター」「サロン」など施術所と分かりにくいもの
英語にするなど言い方を変えても不可で、看板や掲示物など施術所の外への表示も同じ扱いです。なお、「○○整骨院」という名称の扱いは、ガイドラインの例には書かれていません。今の名称のままチラシに載せてよいか迷う場合は、開設届を出した保健所などに確認してください。
保険は「決まった言い方」で書く
医療保険療養費の支給申請ができる旨は、告示で広告できる事項ですが、条件があります(Ⅲ-4(2))。あはきでは、医師の同意が必要な旨を明示する場合に限られます。柔道整復では、脱臼または骨折の患部の施術に係る申請について、医師の同意が必要な旨を明示する場合に限られます。
分かりやすくするために、「医療保険により利用者は施術費用の一部負担で施術を受けることができます」または「一旦施術費用の全額を負担いただきますが、後で保険者に対してその費用の一部を請求することができます」と言い換えることは認められています(Ⅲ-2(2))。柔道整復では、外傷性が明らかな骨折、脱臼、打撲、捻挫等が対象となることを併記しても差し支えないとされています。
一方、「各種保険取扱い」「労災保険取扱い」「自賠責保険取扱い」「交通事故取扱い」は広告できません。また、「どんなお客様も医療保険療養費支給申請ができます」は誇大広告の例、「保険適用でとってもお得に施術が受けられます!!」「交通事故無料」は品位を損ねる広告の例として挙げられています(Ⅳ-3)。ガイドラインは、筋肉痛や肩こりなどには保険が適用されないことにも触れています。
整体院などの広告で載せるべきでないこと
整体院やカイロプラクティックなどには、柔道整復師法やあはき法の「載せてよい項目」の制限はそのままかかりません。ただしガイドラインⅦでは、国家資格によらない施術の広告について、次の内容を載せるべきでないとしています(Ⅶ-3)。関係団体などの自主的な取組を促すものという位置づけですが、景品表示法など関連する法令は、当然守る必要があります。
- 虚偽の内容や、客観的な事実だと証明できない内容
- 他との比較などで、自らが優れていると示す内容
- 早急な利用を過度にあおる表現
- 費用の安さなどの過度な強調
- 科学的な根拠が乏しい情報で、不安を過度にあおる内容
- 国家資格が必要な業を行っていると誤認させる表示(写真や画像を使った場合も同じ)
- 「腰痛」「膝の痛み」などの痛みの症状への施術や、慢性の「肩こり・疲労」などの常態的な症状への施術を表す表現
最後の点は、チラシづくりへの影響が特に大きいところです。ガイドラインは、これらの表現が特定の疾患や、疾患の原因となる可能性がある症状への施術に当たる可能性が高いとして、広告にもウェブサイトにも表現すべきでないとしています。「腰痛・肩こりでお悩みの方へ」のような見出しは、整体院のチラシでよく見かけますが、見直しが必要です。
また、あん摩マッサージ指圧以外の施術を行う場所で「マッサージ」という語句を使った広告は、消費者に誤認を与えるおそれがあると国民生活センターの資料で指摘されたことが、ガイドラインで紹介されています(Ⅶ-1)。整体院のチラシで「マッサージ」という言葉を使うときも注意しましょう。
そのまま使える言い換え表
国家資格の施術所では、「書いてよい項目」に当てはまる内容でも、言葉の選び方ひとつで広告できなくなることがあります。チラシでよく見かける表現を、ガイドラインの例をもとに言い換えました。
| 使わない表現 | 言い換えの例 | 理由・該当箇所 |
|---|---|---|
| 休診日 | 休療日、休日 | 「診」の字を使う表記は不可(Ⅲ-3(4)) |
| 診療時間、診察時間 | 施術時間、施療時間、受付時間 | 同上 |
| 初診、再診 | 初検、再検 | 同上 |
| 往診、訪問診療 | 往療、訪問施術の実施 | 同上(Ⅲ-3(4)、Ⅲ-4(4)) |
| 厚生労働省認可、知事許可 | ○月○日 ○○県 開設届出済 | 施術所は届出制。認可・許可の表示は不可(Ⅲ-4(1)、Ⅳ-3(1)) |
| 知事へ届出済みの優良施術所です! | ○月○日 ○○県 開設届出済 | 届出をことさら強調すると誇大広告(Ⅳ-3(1)) |
| 各種保険取扱い、交通事故取扱い | 医療保険により利用者は施術費用の一部負担で施術を受けることができます(医師の同意が必要な旨を添える) | 決められた条件と言い方で(Ⅲ-4(2)) |
| 電話番号に「1374(痛みなし)」のルビ | 番号だけを大きく、受付時間を添える | 技能などを暗示する語呂合わせは不可(Ⅲ-3(3)) |
| 無料駐車場あり(実際は有料) | 駐車場○台(料金○円) | 事実と違う表示は虚偽広告(Ⅳ-3(1)) |
| 今だけ駐車料金2時間無料キャンペーン | 駐車場の有無・台数・料金を事実どおりに | 品位を損ねる広告の例(Ⅳ-3(2)) |
| 県内で唯一、○○に対応しています! | 書かない | 比較優良広告(Ⅳ-3(2)) |
| (整体院)腰痛・肩こりでお悩みの方へ | 施術の時間、予約の方法、院の雰囲気など事実を伝える | 痛みの症状や慢性の肩こりへの施術の表現は載せない(Ⅶ-3(6)) |
| (整体院)今だけ半額!を大きく | 料金は事実として分かりやすく。割引は期間と条件を明記 | 費用の過度な強調(Ⅶ-3(4))、景品表示法の有利誤認 |
| (整体院)休診日、診療時間 | 定休日、営業時間 | 国家資格の施術や医療と誤認させる表示を避ける(Ⅶ-3(6)の考え方) |
写真・イラスト・体験談も「表現」に含まれる
ガイドラインでは、文字だけでなく、写真、イラスト、ウェブサイトのURLなども、暗示的・間接的な表現として広告に含まれるとしています(Ⅱ-3)。たとえば「病人が回復して元気になる姿のイラスト」や、「肩こり治る」と読めるURLは、認められない例として挙げられています。
国家資格の施術所では、チラシに載せる患者さんの体験談、雑誌や新聞で紹介された旨、芸能人が利用している旨は、広告できる事項ではありません(Ⅱ-3、Ⅱ-6(3)、Ⅲ-5)。一方で、背景の風景写真やイラスト、レイアウトに使う模様、広告制作者の名称や作成日などは、通常は制限されないとされています(Ⅲ-5)。
施術前後の写真については、ウェブサイトに関する項目でも、加工・修正したものは虚偽、撮影条件を変えたものは誇大として扱うべきとされています(Ⅵ-4)。整体院のチラシでも、効果を暗示する写真や体験談は使わないのが安全です。また、2023年10月からは、広告であることを隠して第三者の感想のように見せる表示(いわゆるステルスマーケティング)が、景品表示法の不当表示として規制されています。
料金や割引の扱い
国家資格の施術所では、告示で広告できる事項に施術料金は含まれていません。料金として挙げられているのは駐車料金だけです(Ⅲ-4(5))。自費で行う施術の内容や費用は、ガイドラインでは「ウェブサイト等に掲載すべき事項」とされ、分かりやすく情報を提供するよう求められています(Ⅵ-3(2))。
整体院などでは料金を載せられますが、費用の安さなどを過度に強調する表現は載せるべきでないとされています(Ⅶ-3(4))。いつ見ても「今だけ」の割引は、景品表示法の有利誤認にも注意が必要です。
ルールを守りながら「行ってみよう」と思ってもらうコツ
書けないことが多いと、「それではチラシの意味がないのでは」と感じるかもしれません。ですが、来院を迷っている人が気にしているのは、効果のことだけではありません。「自分の都合で通えるか」「場所は分かりやすいか」「入りやすい院か」という不安も大きいのです。
通いやすさを具体的に伝える
施術日と施術時間、休みの曜日、予約の方法、休日や夜間の施術、出張施術、駐車場は、国家資格の施術所でも広告できる項目です。ガイドラインも、施術日・施術時間や、予約・休日夜間の施術は、できる限り広告に記載するのが望ましいとしています(Ⅲ-3(4)、Ⅲ-4(3))。小さな文字で隅に置くのではなく、ひと目で分かる大きさで配置しましょう。
とくに「平日は夜8時まで」「土曜も施術」といった情報は、仕事帰りの人や子育て中の人にとって、来院を決める理由になります。ただし、実際と違う「年中無休」「24時間施術」などは、虚偽広告の例として挙げられています(Ⅳ-3(1))。
地図と連絡先で「迷わせない」
最寄り駅からの道順と所要時間、案内図、電話の受付時間、FAX番号、メールアドレス、ウェブサイトのURLやQRコードも、広告できる項目に含まれます(Ⅲ-3(3))。地図は目印になる建物を入れて簡潔に。電話番号は大きく、受付時間を添えておきましょう。語呂合わせのルビは付けません。
配色と余白で雰囲気を伝える
初めての人が不安に感じるのは、「中がどうなっているのか分からない」ことです。清潔感のある配色や、落ち着いた余白の取り方は、言葉で効果を語らなくても安心感を伝えてくれます。院内や施術者の写真を使う場合は、添える文章と合わせて、広告できる事項の範囲に収まっているか、効果や技能を暗示していないかを事前に確認しておきましょう。
院内で渡す案内は扱いが異なる
ガイドラインでは、施術所内で掲示・配布するパンフレットなどは、受け手が利用者に限られる限り、広告ではなく情報提供や広報と解されるとしています(Ⅱ-6(4))。一方、ポスティングや新聞折込などで配るチラシは、広告に当たる媒体の例に挙げられています(Ⅱ-5)。同じデザインを院内用と配布用で使い回すときは、配布用の版が書いてよい項目に収まっているかを確認しましょう。
制作の現場でよくあるご相談
- 効果を書けないと、表面にいちばん大きく何を載せればよいですか?
- 通いやすさが伝わる事実を大きくするのがおすすめです。たとえば施術日と施術時間、休日や夜間の施術、予約の方法、駐車場の台数などです。国家資格の施術所でも広告できる項目なので、表面の上半分に大きく置き、地図と電話番号を下にまとめると迷わせません。
- 院内で渡す版と、ポスティング用の版を分けたいのですが、手間はかかりますか?
- 同じデザインのまま、載せる項目や文言の一部を差し替えた版を作れます。反響堂では一部差し替え版を1版につき3,000円(税抜)でお受けしています。配布用の版は、書いてよい項目に収まっているかを、あらためて一緒に確認します。
制作者も「指導の対象」になり得る
ガイドラインは、広告規制の対象は施術者や施術所だけでなく、広告代理店なども含めた「何人も」であるとしています(Ⅱ-4(1))。さらに、広告を企画・制作する者は、内容が広告できる事項であるかなどに十分留意する必要があり、違反等があった場合には、広告依頼者とともに指導等の対象となり得るとしています(Ⅱ-4(2))。
違反広告への対応は、まず行政指導で広告の中止や是正が求められ、必要に応じて違反広告物の回収・廃棄も指導されます。指導は、広告を作成した者にも必要に応じて行うとされています(Ⅴ-5(2))。指導に従わない場合などには告発が検討され、その対象には広告代理店などの代表者も含まれます(Ⅴ-5(3))。チラシを刷ってから回収・差し替えとなれば、印刷代がもう一度かかり(反響堂の場合、A4片面1,000部で印刷代だけでも6,000円・税抜の目安)、配り直しの手間も増えます。
つまり、「表現の最終判断は施術所の側で」と制作者が一歩引くのではなく、依頼する側と作る側が一緒に確認することが大切です。反響堂でも、最初に業態とお持ちの資格を伺い、ガイドラインの項目に照らしながら原稿を確認します。判断に迷う表現は、施術所の開設届を受け付けている保健所などの担当部署に確認してから進めます。ガイドラインでも、保健所のあはき・柔整の担当部署などが、広告を行う者の相談窓口として想定されています(Ⅴ-2)。
外注するときは、次のことを最初に伝えておくと、確認がスムーズです。
- 院の業態(整骨院・接骨院、鍼灸院・マッサージ院、整体院など)と、お持ちの資格(免許の種類)
- 開設届を出した保健所など
- 保健所から指摘を受けたことがある表現
- 院内で渡すものか、ポスティングなどで配るものか
- 今お使いのチラシ(あれば写真で)
依頼前の準備はチラシ作成を外注する前に準備したい7つのこと、整体院・整骨院向けのデザインの考え方は整体院・整骨院のチラシ制作のページでも紹介しています。
反響堂での進め方
反響堂での進め方(施術所のチラシ)
- 業態と資格を伺う整骨院・鍼灸院・整体院などの業態と、お持ちの免許の種類を最初にお聞きします。
- 今のチラシと原稿今お使いのチラシの写真と、載せたい内容のメモをLINEかメールで送っていただきます。
- 載せる項目を仕分けガイドラインの早見表をもとに、載せられる項目と見直したい表現を分けてお返しします。
- 言い換えを添えて初稿見直したい表現には言い換えの案を添えて、初稿をお届けします。
- 迷う表現は確認判断に迷う表現は、保健所などへのご確認をお願いしたうえで文言を決めます。
- 修正して入稿同じ企画の範囲なら修正は回数無制限です。納得いくまで直してから入稿します。
入稿前チェックリスト
原稿ができたら、印刷に進む前に次の10項目を確認してください。【国家資格】は整骨院・接骨院、鍼灸院・マッサージ院、【整体など】は国家資格によらない施術の場合の項目です。
- 業態(柔道整復・あはき・国家資格によらない施術)と、載せる資格名が合っているか
- 【国家資格】載せる項目が、法律と告示で広告できる項目に収まっているか(施術料金・体験談・経歴などが入っていないか)
- 【国家資格】施術所の名称が、ガイドラインの名称のルールに合っているか(「整体」「クリニック」「○○堂」などを含んでいないか)
- 【国家資格】「休診」「診療時間」「初診」「往診」など、「診」の字を使っていないか
- 【国家資格】保険の表示が、決められた言い方と医師の同意の明示になっているか。「各種保険取扱い」「交通事故取扱い」と書いていないか
- 「認可」「許可」「優良」「唯一」「No.1」など、事実と違う言葉や、他より優れていると示す言葉がないか
- 【整体など】「腰痛」「膝の痛み」などの痛みの症状や、慢性の肩こり・疲労への施術を表す言葉がないか。国家資格の施術と誤認させる言葉や写真がないか
- 効果を暗示する写真・イラスト・体験談・URL・電話番号の語呂合わせがないか
- 料金や割引を過度に強調していないか。期間限定の表示が実際の条件と合っているか
- 施術時間・休み・駐車場など、書いた事実が実際と合っているか
1つでも迷う項目があれば、印刷の前に確認しておくのがおすすめです。表現のルールを守ったうえで、読まれるチラシに仕上げる基本は反響が出るチラシの共通点でも紹介しています。
本記事は、令和7年2月18日付けの厚生労働省「あはき・柔整広告ガイドライン」と、柔道整復師法・あはき法の条文(2026年9月27日にe-Gov法令検索で確認)をもとにまとめた一般的な情報で、法的助言ではありません。運用や相談窓口は自治体によって異なる場合があります。個別の表現については、所管の保健所などにご確認ください。
反響堂の料金目安
反響堂では、デザイナー歴22年の個人デザイナーが直接担当し、業態に合わせて載せる項目と言葉づかいを一緒に確認しながら進めます。デザイン料は税抜でA5片面10,000円、A4片面15,000円、A4両面25,000円など、サイズごとの定額です。同じ企画の範囲なら修正は回数無制限で、印刷込みの場合はA4片面1,000部で21,000円(最短1営業日発送・コート90kg・送料込み、時期により変動する目安)です。ほかのサイズや部数は料金シミュレーターで確認できます。「今のチラシのどこを直せばいいか分からない」という段階でも、LINEで気軽にご相談ください。
よくある質問
整骨院のチラシに「腰痛が治る」と書いてもいいですか?
書けません。整骨院・接骨院は、柔道整復師法第24条と告示で決められた項目しか広告できず、効果はその項目に含まれません。整体院など国家資格によらない施術でも、厚生労働省のガイドラインで、「腰痛」「膝の痛み」などの痛みの症状への施術を表す表現は、広告に載せるべきでないとされています。
「休診日」と書いてはいけないのですか?
整骨院・鍼灸院など国家資格の施術所では、「休診日」「診療時間」「初診」「往診」など「診」の字を使う表記は認められていません。「休療日」「休日」「施術時間」「初検」「往療」などに言い換えます。整体院でも、医療と紛らわしくならないよう「定休日」「営業時間」などにするのが無難です。
保険が使えることは、どう書けばいいですか?
「各種保険取扱い」「交通事故取扱い」とは書けません。医療保険療養費の支給申請ができる旨を、医師の同意が必要な旨とあわせて表示します(柔道整復では、脱臼・骨折の患部の施術に係る申請について)。「医療保険により利用者は施術費用の一部負担で施術を受けることができます」と言い換えることは認められています。
チラシに患者さんの声を載せてもいいですか?
国家資格の施術所では、チラシに載せる体験談は広告できる事項に含まれないため、載せられません。整体院でも、効果を暗示するため避けるのが安全です。広告であることを隠して第三者の感想に見せる表示は、景品表示法の規制対象です。
チラシを作ったデザイナーにも責任はありますか?
あります。ガイドラインでは、広告を企画・制作する者も、違反等があった場合には広告依頼者とともに指導等の対象となり得るとされています。依頼する側と作る側が一緒に確認することが大切です。
「整骨院」という名前はチラシに使えますか?
ガイドラインでは、「○○施術所(院)」「○○鍼灸治療院」、併設の場合の「○○接骨院・鍼灸院」などが広告できる名称の例として示されていますが、「整骨院」という名称の扱いは明記されていません。今の名称のまま載せてよいかは、開設届を出した保健所などに確認してください。
表現が問題ないかはどこに確認すればいいですか?
施術所の開設届を受け付けている保健所などの担当部署が基本です。ガイドラインでも、保健所のあはき・柔整の担当部署などが、広告を行う者の相談窓口として想定されています。自治体によって窓口が異なる場合があるため、所管の自治体のウェブサイトなどで確認してください。


