デイサービスや介護施設のチラシは、飲食店や美容室のチラシとは読み手が大きく違います。サービスを使うご本人だけでなく、事業所を選ぶご家族や、ケアプランを作るケアマネジャーが実際の判断に関わるからです。この記事では、デイサービス・訪問介護・介護施設のチラシに載せたい内容、料金や介護保険の書き方の注意点、安心感が伝わる写真とデザイン、配り方と見学につなげる工夫まで、分かりやすくまとめました。
結論:デイサービスのチラシは「本人」より「家族とケアマネジャー」に向けて作る
デイサービスのチラシを作るとき、まず考えたいのは「誰が読んで、誰が決めるのか」です。介護サービスは、利用するご本人の気持ちが大切なのはもちろんですが、実際に事業所を探して比べるのは、ご家族やケアマネジャー(介護支援専門員。ケアプランを作る専門職)であることが多くあります。
ご家族は「親を安心して任せられるか」を、ケアマネジャーは「この利用者さんに合うサービスか、受け入れてもらえるか」を知りたいと考えています。つまり、同じチラシでも、読み手によって知りたいことが違うのです。
介護施設のチラシでよくある失敗は、明るい雰囲気の写真と「笑顔あふれる」「アットホーム」といった言葉だけで終わってしまうことです。雰囲気は大切ですが、それだけでは比べる材料になりません。判断に必要な具体的な情報を、読みやすく整理して載せることが大切です。
この記事の要点
- 読み手はご本人・ご家族・ケアマネジャーの3者。判断材料を具体的に載せる
- サービス内容・1日の流れ・送迎範囲など、比べるための情報を優先する
- 料金は介護保険の自己負担の仕組みに沿って、誤解のない書き方にする
- 写真は実際の様子を、写る方の同意を得たうえで使う
- ゴールは「見学・体験」。申し込みの方法を分かりやすく示す
デイサービスのチラシに載せたい8つの項目
デイサービスのチラシの内容として、載せておきたい項目を8つにまとめました。訪問介護や施設の場合も、考え方は同じです。
| 項目 | 載せたい内容 | 読み手が知りたいこと |
|---|---|---|
| 1. サービスの種類と特長 | 通常規模・地域密着、リハビリ中心、入浴あり、短時間型など | どんなタイプの事業所か |
| 2. 1日の流れ | 送迎、健康チェック、入浴、昼食、レクリエーション、帰宅の時間 | 通うとどんな1日になるか |
| 3. 送迎の範囲 | 送迎できる地域、車いす対応の車両があるか | 自宅まで迎えに来てもらえるか |
| 4. 営業日・時間 | 営業曜日、利用時間、祝日や年末年始の対応 | 家族の仕事の都合に合うか |
| 5. 対応できること | 入浴介助、機能訓練、食事の形態、認知症の方の受け入れなど | 今の状態で受け入れてもらえるか |
| 6. 料金の目安 | 介護保険の自己負担の考え方、食費など保険外の費用 | 毎月いくらくらいかかるか |
| 7. スタッフと体制 | 看護職員や機能訓練の担当者の配置、スタッフの雰囲気 | 安心して任せられるか |
| 8. 見学・体験と連絡先 | 見学や体験利用の方法、電話番号、受付時間、地図 | 次に何をすればよいか |
すべてを同じ大きさで詰め込む必要はありません。表面には「どんな事業所か」と「見学のお申し込み」を大きく、裏面に1日の流れや料金の詳細を載せる、という分け方が読みやすいでしょう。情報量が多い場合は、A4の二つ折りなど、パンフレットの形にするのも一つの方法です。
訪問介護や入居施設の場合
訪問介護のチラシでは、1日の流れの代わりに「どんなお手伝いができるか」を具体的に示すと伝わりやすくなります。身体介護(入浴や排せつの介助など)と生活援助(掃除や買い物など)の例、訪問できる地域と時間帯、急な相談への対応などが、ご家族の知りたい情報です。
有料老人ホームなどの入居施設では、居室の様子、月々の費用の内訳、医療機関との連携、面会の方法など、暮らし全体をイメージできる情報が求められます。なお、有料老人ホームの広告には、景品表示法にもとづく「有料老人ホームに関する不当な表示」という告示があり、費用や設備、介護の体制などの書き方に注意が必要です。情報量が多くなるため、チラシで興味を持ってもらい、詳しい内容はパンフレットで伝えるという役割分担も考えてみてください。
料金の見せ方と、介護保険の表記で気をつけたいこと
ご家族が特に気にするのが、毎月の費用です。ただし、介護保険サービスの料金は、要介護度、利用時間、利用回数、加算の有無、そして自己負担の割合(所得に応じて1割から3割)によって変わります。そのため、「1回いくら」と一つの金額だけを大きく書くと、実際の負担と違って誤解を招くおそれがあります。
料金を載せるときは、次のような点に気をつけましょう。
- 介護保険の自己負担分と、食費・おやつ代などの保険外の費用を分けて書く
- 金額を例示する場合は、要介護度・利用時間・負担割合などの前提条件を添える
- 「詳しい料金はお問い合わせください」と、個別に説明する窓口を示す
- 料金は制度の改定で変わるため、印刷した時点で正しい内容か確認する
また、事実と違う表現や、実際より良く見せる大げさな表現は避けましょう。「どんな方でも必ず元気に」「絶対に安心」といった言い切りは、読む人の誤解のもとになります。実際に行っていること、できることを具体的に書くほうが、結果として信頼につながります。
本記事は一般的な情報で、法的助言ではありません。最新の制度・個別の判断は公式情報や専門家にご確認ください。介護保険の料金や表示のルールは改定されることがあるため、事業所の指定を受けた自治体の情報などで最新の内容をご確認ください。
安心感が伝わる写真とデザイン
介護のチラシでは、文章以上に写真が「ここなら大丈夫そう」という安心感を左右します。
写真は「実際の様子」を選ぶ
素材サイトのきれいな写真より、実際の施設やスタッフの写真のほうが、見学に来たときとの印象のずれがなく、信頼につながります。おすすめは次のような写真です。
- 明るく清潔な室内や浴室、機能訓練のスペース
- スタッフが笑顔で話している様子
- 送迎車の外観
- 昼食やおやつの一例
利用者さんが写る写真を使う場合は、ご本人(必要に応じてご家族)に、チラシに使うことを説明して同意を得ましょう。顔が分からない角度で撮る、後ろ姿や手元を写すといった工夫もできます。
高齢の方にも読みやすいデザイン
チラシはご家族だけでなく、ご本人が目にすることもあります。本文の文字は大きめにし、背景と文字の色の差をはっきりさせましょう。細い書体や、写真の上に文字を重ねる配置は、読みにくくなりがちです。色は、やわらかい暖色系を基調にすると、落ち着いた温かい印象になります。
ケアマネジャー向けと家族向けの作り分け
ケアマネ営業で使うチラシと、ご家庭に配るチラシは、分けて作るのがおすすめです。知りたいことが違うからです。
| 家族向け | ケアマネジャー向け | |
|---|---|---|
| 目的 | 知ってもらい、見学に来てもらう | 紹介先の候補に入れてもらう |
| 重視する情報 | 雰囲気、1日の流れ、費用の目安 | 受け入れ条件、空き状況、対応できる医療的ケア、連絡の取りやすさ |
| 言葉づかい | やさしく、専門用語を減らす | 簡潔に、必要な情報を一覧で |
| 形 | 写真の多いチラシやパンフレット | A4片面の一覧表、空き状況のお知らせ |
ケアマネジャーは多くの事業所の資料を受け取っています。一目で「どんな方を受け入れられるか」「今、空きがあるか」が分かる資料は、手元に残してもらいやすくなります。空き状況を曜日ごとに示したお知らせを定期的に届けるのも、よく行われている方法です。
配り方:ポスティング・居宅介護支援事業所への持参・地域の掲示
介護のチラシは、配り方によって届く相手が変わります。主な方法と特徴は次のとおりです。
居宅介護支援事業所への持参
ケアマネジャーが在籍する居宅介護支援事業所に、直接チラシを届ける方法です。顔を合わせて説明できるため、印象に残りやすくなります。訪問の際は相手の忙しい時間帯を避け、短く要点を伝える配慮が大切です。地域包括支援センターや、病院の地域連携の窓口に案内を届ける事業所もあります。
ポスティング
送迎範囲の住宅にチラシを配り、ご家族やご本人に直接知ってもらう方法です。高齢の方が多く住む地域や、送迎しやすい範囲に絞って配ると、無駄が少なくなります。ポスティングの考え方はポスティングの反響率の考え方で詳しく紹介しています。
地域での掲示や設置
公民館、薬局、クリニック、スーパーの掲示板など、地域の人が集まる場所に置いてもらう方法もあります。設置や掲示は、必ずその場所の管理者の許可を得てから行いましょう。
見学・体験につなげる申込導線
介護のチラシのゴールは、多くの場合「見学」か「体験利用」です。チラシを見て気になった人が、迷わず次の一歩を踏み出せるように、申し込みの方法を分かりやすく示しましょう。
- 何ができるかを書く:「見学はいつでも受け付けています」「体験利用ができます」など、具体的に書きます。
- 申し込み方法を1つ目立たせる:高齢のご家族も読むことを考えると、電話番号を大きく載せるのが基本です。受付の曜日と時間も添えます。
- 相談だけでもよいと伝える:「まずはご相談だけでも」の一言で、問い合わせのハードルが下がります。
- 担当者の名前と顔を載せる:電話に出る人が分かると、かける側の不安がやわらぎます。
- 地図と目印を添える:見学に来るときに迷わないよう、近くの目印や駐車場の有無も書きます。
若い世代のご家族向けには、QRコードでホームページや問い合わせフォームにつなげるのも便利です。電話とQRコードを両方載せつつ、どちらを主役にするかは、届けたい相手に合わせて決めましょう。
業種別のチラシの考え方は介護・福祉のチラシ制作のページでも紹介しています。
反響堂に頼む場合の目安
反響堂では、デザイナー歴22年の個人デザイナーが直接担当し、ご家族向けとケアマネジャー向けの作り分けにも対応しています。デザイン料は税込でA4片面15,000円、両面25,000円、パンフレットはA4二つ折り・三つ折り35,000円などの定額で、同じ企画の範囲なら修正は回数無制限です。料金は料金シミュレーターで確認でき、ご相談はLINEとメールで受け付けています。
よくある質問
デイサービスのチラシには何を載せればよいですか?
サービスの種類と特長、1日の流れ、送迎の範囲、営業日と時間、対応できること、料金の目安、スタッフの体制、見学・体験の方法と連絡先の8項目を基本に、読み手が比べやすい具体的な情報を載せるのがおすすめです。
チラシに料金を載せるときの注意点は?
介護保険の自己負担は要介護度や利用時間、負担割合などで変わるため、一つの金額だけを大きく書くと誤解を招くことがあります。保険内と保険外の費用を分け、例示には前提条件を添え、最新の料金か確認しましょう。
ケアマネジャー向けのチラシは家族向けと分けたほうがよいですか?
分けるのがおすすめです。家族は雰囲気や費用の目安を、ケアマネジャーは受け入れ条件や空き状況、連絡の取りやすさを知りたいと考えています。ケアマネジャー向けは要点を一覧にしたA4片面などが使いやすい形です。