
はがきや封書のDM(ダイレクトメール)を送ったものの、「この反応は良いのか悪いのか分からない」と感じている方は多いのではないでしょうか。DMの反応率は、送る相手との関係や内容によって大きく変わります。この記事では、DMの反応率の考え方と計算方法、最新の調査にもとづく開封率とその推移、既存客・新規の目安、はがき1通の費用から計算する損益分岐点、反応率を上げる7つのコツ、効果測定の仕組みの作り方まで、はじめてDMを送る方にも分かるように解説します。
結論:ダイレクトメール(DM)の反応率は「送る相手との関係」で大きく変わる
DMの反応率は、何件送って何件の反応があったかを表す数字です。この数字は、送る相手が「すでに利用したことのあるお客様」なのか、「まだ接点のない新しい相手」なのかで、大きく変わります。
一般に、既存のお客様に送るDMは反応率が高く、新規の相手に送るDMは低くなる傾向があります。そのため、他社の数字や「平均◯%」という情報と単純に比べるより、自分のDMの目的と相手に合わせた目安を持ち、「何件反応があれば元が取れるか」を先に計算しておくことが大切です。
DMの反応率を考えるときのポイント
- 最新の調査では、自分宛てのDMの56%が開封・閲読され、15.2%の人が何らかの行動をとった
- 既存客向けと新規向けは、別々に目安を持つ
- はがき1通には郵便料金だけで85円かかる。元が取れる反応数を先に計算する
- クーポンの利用だけでなく、「ネットで調べた」などの間接的な反応もある
- 効果を測る仕組みは、DMを作る段階で入れておく
DMの反応率・開封率・CPAの意味と計算方法
DMの効果を正しく知るには、いくつかの指標を使い分ける必要があります。代表的なものを整理しました。
| 指標 | 意味 | 計算方法 |
|---|---|---|
| 反応率(反響率) | 送った数に対して、問い合わせや来店などの反応があった割合 | 反応数 ÷ 発送数 × 100 |
| 開封率 | 届いたDMのうち、開封された(中身を見られた)割合 | 開封数 ÷ 到達数 × 100 |
| CPA(1件あたりの獲得費用) | 反応1件を得るのにかかった費用 | DMにかかった総費用 ÷ 反応数 |
| 損益分岐点の反応数 | かけた費用を回収するのに必要な反応の件数 | DMにかかった総費用 ÷ 1件あたりの粗利 |
| 費用対効果 | かけた費用に対して、どれだけの売上や利益があったか | DM経由の売上(利益) ÷ DMにかかった総費用 |
たとえば、1,000通のDMを送って15件の来店があった場合、反応率は1.5%です。デザイン・印刷・郵送などで合計15万円かかったなら、CPAは1万円になります。来店1件あたりの売上が平均2万円なら、DMの費用に対して売上は2倍、という計算です(数字は説明のための例です)。
なお、郵便で送るDMの開封率は、メールのように自動で計測することはできません。
DMの開封率の平均:最新の調査では本人宛てDMの56%が開封・閲読
一般社団法人日本メーリングサービス協会の「DMメディア実態調査2025」(2026年5月公表)では、自分宛てに届いたDMのうち開封・閲読されたのは56%、DMを受け取って何らかの行動をとった人の割合(行動喚起率)は15.2%でした。調査は首都圏に住む20〜50代を対象に、2025年12月に行われました(事前のネット調査7,900人、受け取ったDMを日記式で記録する調査200人)。1人が1週間に受け取ったDMは平均5.5通でした。
この調査は、2012年から一般社団法人日本ダイレクトメール協会が行ってきたものを、今回から日本メーリングサービス協会が引き継いだものです。日本ダイレクトメール協会の「DMメディアの現状」(2024年9月25日、総務省の会議資料)に載っている、それまでの開封・閲読率の推移は次のとおりです。
| 調査年 | 本人宛てDMの開封・閲読率 |
|---|---|
| 2013年 | 71.6% |
| 2014年 | 78.7% |
| 2015年 | 80.9% |
| 2016年 | 81.5% |
| 2017年 | 74.3% |
| 2018年 | 79.4% |
| 2019年 | 74.0% |
| 2020年 | 63.1% |
| 2021年 | 79.5% |
| 2022年 | 75.4% |
| 2023年 | 75.1% |
| 2025年 | 56%(日本メーリングサービス協会の調査) |
2023年までは日本ダイレクトメール協会、2025年は日本メーリングサービス協会の調査です。実施する団体が変わっているため、過去の数字と単純に比べることはできませんが、「届いたDMの半分以上は目を通されている」と考えてよいでしょう。どちらも受け取った人へのアンケートにもとづく数字で、DMの内容や業種によって実際の開封率は変わります。
自分のDMで開封されたかを知りたい場合は、クーポンやQRコードの利用数から、間接的に確かめるのが現実的です。封書の場合は正確な数字を出すのが難しいため、実務では反応率とCPAを中心に効果を判断するのが一般的です。はがきは開封の手間がなく、届いた時点で文面が目に入りやすいという特徴があります。
DMの反応率の平均:既存客向けと新規向けで目安が違う理由
DMの反応率の平均について、よく言われる目安は次のようなものです。ただし、業種や商品の価格、内容によって幅が大きいため、あくまで参考として考えてください。
| 送る相手 | 反応率の目安(一般に言われる範囲) | 主な内容 |
|---|---|---|
| 既存のお客様 | 数%程度、内容によってはそれ以上 | 来店のお礼、誕生日の特典、定期点検やメンテナンスのお知らせ |
| しばらく来ていないお客様 | 既存客よりやや低め | 再来店のきっかけづくり、近況のお知らせ |
| 新規の相手 | 1%に満たないことが多い | サービスの紹介、開業や新商品の案内 |
参考として、日本政策金融公庫の資料を出典に、郵送DMの反応率の目安を「既存のお客様向けで5〜15%、新規の相手向けで0.5〜1%」とする数字が広く紹介されています。業種や時期による差が大きいため、ひとつの目安として受け止めてください。
既存のお客様の反応率が高い理由は、送り主のことをすでに知っていて、信頼関係があるからです。自分宛てに名前入りで届くDMは、知っているお店からであれば目を通してもらいやすく、内容が自分に関係あるものなら行動にもつながりやすくなります。
一方、新規の相手は送り主を知らないため、まず「これは何か」「自分に関係があるか」を判断するところから始まります。関心を持ってもらうまでのハードルが高く、反応率は低くなりがちです。新規向けのDMは、1回で結果を求めるより、継続して知ってもらう手段のひとつと考えるほうが現実的です。
直接の反応と、間接的な反応
DMの反応には、クーポンを持って来店する、電話で問い合わせるといった「直接の反応」のほかに、DMを見てネットで調べる、家族に話すといった「間接的な反応」もあります。「DMメディア実態調査2025」の行動の内訳は次のとおりでした。
| 反応の種類 | DMを受け取った後の行動 | 割合 |
|---|---|---|
| 直接の反応 | 問い合わせた | 2.8% |
| 商品・サービスを購入・利用した | 1.7% | |
| お店に出かけた | 1.7% | |
| 間接的な反応 | 内容についてインターネットで調べた | 7.2% |
| 家族・友人・知人などとの話題にした | 1.9% |
最も多いのは「ネットで調べた」です。クーポンの利用数だけを数えると、DMをきっかけにホームページやSNSを見てから予約した人を見落としてしまいます。予約や来店のときに「何を見て来られましたか」と聞く、DM専用のQRコードを入れるなど、間接的な反応も拾える仕組みにしておきましょう。
DMは何件の反応で元が取れる?はがき1通の費用と損益分岐点
反応率の良し悪しは、「何件の反応があれば、かけた費用を回収できるか」と比べると判断しやすくなります。まず、はがきDM1通にかかる費用を分けてみましょう。
| 費用の内訳 | 金額 | メモ |
|---|---|---|
| デザイン料 | 8,000円(税抜) | 反響堂のはがき片面の場合。最初の1回だけかかる。500通なら1通あたり16円 |
| 郵便料金 | 1通85円 | はがきの料金(日本郵便、全国一律)。封書(定形・50g以内)なら110円(日本郵便) |
| 印刷費 | 部数・紙・印刷会社によって変わる | 見積もりで確認する |
| 宛名の印字・リストの整理 | 手間または外注費 | 自分で行うか、発送代行に頼むか |
たとえば500通送る場合、デザイン料8,000円と郵便料金42,500円(85円×500通)だけで50,500円、1通あたり約101円になります。ここに印刷費が加わります。
損益分岐点の計算例
必要な反応の件数は「総費用÷1件あたりの粗利」で計算します。1件の来店で得られる粗利を仮に5,000円とすると、印刷費を除いた50,500円だけでも、回収に11件の反応が必要です。500通に対する反応率にすると2.2%です。
先ほどの目安(既存のお客様向けで5〜15%、新規向けで0.5〜1%)と比べると、既存のお客様向けなら届く可能性がある一方、新規の相手に1回送るだけで元を取るのは難しいことが分かります。新規向けのDMは、1回の損益ではなく、その後のリピートまで含めた粗利で判断しましょう。
なお、電通「2025年 日本の広告費」によると、2025年のDMの広告費は2,708億円(前年比94.6%)で、2024年10月の郵便料金改定などの影響で、発送数や媒体を見直す動きもあったとされています。郵便料金が改定され、はがき1通85円となったいま、送り先を絞って1通あたりの反応を高めることが、これまで以上に大切になっています。
制作の現場でよくあるご相談
- 既存のお客様向けと新規向けで、DMのデザインを分けたほうがよいですか?
- 分けるのがおすすめです。既存のお客様向けは、お礼や前回の利用に触れる一文を目立たせ、新規向けは「何のお店か」「自分に関係があるか」がひと目で分かる見出しを優先します。同じデザインのまま文面の一部だけを差し替える方法もあり、費用を抑えやすくなります。
DMの反応率を上げる7つのコツ
DMの効果を高めるために、すぐに見直せる7つのポイントを紹介します。
1. 送る相手を絞り込む
全員に同じDMを送るより、「最終来店から半年以上たったお客様」「この商品を買ったことがあるお客様」のように相手を絞るほうが、内容を相手に合わせやすく、反応も得やすくなります。送る数が減れば、郵便料金も抑えられます。
2. ひと目で「自分宛て」と分かるようにする
宛名だけでなく、文面にも「◯◯様へ」「前回ご利用いただいた◯◯について」のように、その人に向けたメッセージを入れると、読んでもらえる可能性が高まります。「DMメディア実態調査2025」でも、一人ひとりに合わせたDM(パーソナライズDM)について、通常のDMより開封したいと答えた人が52%いました。
3. 一番伝えたいことを1つに絞る
DMに伝えたいことを詰め込みすぎると、何をしてほしいのかがぼやけてしまいます。「今月中に予約すると◯◯」のように、主役の情報を1つに決めて大きく見せましょう。
4. 期限を入れる
「いつでも使えます」より「◯月◯日まで」のほうが、行動のきっかけになります。期限が短すぎると使いにくく、長すぎると後回しにされるため、1か月前後を目安にするとよいでしょう。
5. 反応の方法を分かりやすくする
電話番号、予約方法、持ってくるもの(「このはがきをご持参ください」など)を、はっきりと書きます。受け取った人の行動で最も多いのは「ネットで調べた」なので、QRコードでウェブの予約ページやお店の案内に案内するのも効果的です。
6. 形状やデザインで目に留まる工夫をする
1人が1週間に受け取るDMは平均5.5通という調査結果もあります(「DMメディア実態調査2025」)。他の郵便物に埋もれないよう、はがきの表面に写真や短いキャッチコピーを大きく入れる、圧着はがきや封書など形状を変えるといった工夫も考えられます。DMのデザインのポイントはDMの作り方で詳しく紹介しています。
7. 手書きのひと言を添える
すべてを手書きにするのは大変ですが、印刷したDMにスタッフの手書きのひと言を添えるだけでも、温かみが伝わり、読んでもらえるきっかけになります。既存のお客様向けのDMで特に効果的です。
DMを送る時期とタイミング
DMは、内容と同じくらい送る時期が大切です。お客様が「ちょうど考えていた」ときに届くと、反応につながりやすくなります。
- お客様ごとのタイミング:誕生日、前回の来店や購入から一定期間がたったころ、定期点検や買い替えの時期など
- 季節のタイミング:年末年始、新生活の時期、夏や冬のボーナスの時期、季節の変わり目など
- 届く日:特典の期限までに余裕を持って届くよう、郵送にかかる日数を見込んで発送する
郵便は、差し出す方法や地域によって届くまでの日数が変わります。特典の期限やイベントの日程が決まっている場合は、届くまでの日数に余裕を持って発送しましょう。
送る頻度も考えておきたいポイントです。1回だけで大きな反応を期待するより、季節ごとなど一定の間隔で送り続けるほうが、お店や会社のことを思い出してもらいやすくなります。一方で、あまりに頻繁に送ると、読まれずに捨てられたり、負担に感じられたりすることもあります。反応の記録を見ながら、相手にとって負担にならない間隔を探っていきましょう。また、DMを送らないでほしいという申し出があった場合は、次回から送り先リストから外すなど、丁寧に対応することも信頼につながります。
DMの効果測定の仕組みを最初から入れる方法
DMの効果測定でよくある失敗は、送った後で「どれくらい反応があったか分からない」となることです。効果を測る仕組みは、DMを作る段階で組み込んでおきましょう。
- 反応の数え方を決める:来店、予約、問い合わせなど、何を「反応」とするかを決める
- DMと分かる仕掛けを入れる:「このはがきをご持参ください」「予約時に『DMを見た』とお伝えください」などの一文や、DM専用のクーポン番号を入れる
- 間接的な反応も拾う:DM専用のQRコードを入れる、来店時に「何を見て来られましたか」と聞く
- 複数のパターンを比べる場合は印を変える:デザインや特典を2種類に分けるなら、クーポン番号やQRコードの行き先を変えて区別する
- 記録する:反応があったら、日付と内容をノートや表計算ソフトに記録する
- 期限後に集計する:反応率、CPA、損益分岐点と比べた結果を計算し、次回のDMに生かす
効果測定の考え方はチラシでも同じです。詳しくはチラシの効果測定の方法もご覧ください。
反響堂での進め方
反響堂でDMはがきを作るときの流れ
- 送る相手を決める既存のお客様か新規か、送る相手と通数を先に伺います
- 数え方を決める持参・合言葉・専用のQRコードなど、何で反応を数えるかを決めます
- 原稿を送る特典と期限、連絡先を、メモや箇条書きで送っていただきます
- 初稿と修正入金と素材がそろってから最短3営業日で初稿。修正は同じ企画なら無制限です
- データの納品印刷用のデータと画像を納品します。はがきの印刷や郵送の方法はご相談ください
DMの反応が悪いときの見直し順
DMの反応が思わしくないときは、次の順番で見直すと、原因を見つけやすくなります。
- 送り先リスト:住所が古くなっていないか、送る相手はDMの内容に合っているか
- 特典・オファー:相手にとって魅力のある内容か、条件が複雑すぎないか
- 送る時期:相手が必要としている時期に届いているか、期限に余裕はあるか
- デザインと文章:ひと目で何のDMか分かるか、伝えたいことが1つに絞れているか
- 反応の方法:連絡先や予約方法が分かりやすいか
デザインを変えることに目が向きがちですが、反応率への影響が大きいのは、多くの場合「誰に送るか」と「何を提案するか」です。まずはリストと特典から見直し、一度に変えるのは1〜2か所にとどめると、何が効いたのかが分かりやすくなります。
反響堂に頼む場合の目安
反響堂では、デザイナー歴22年の個人デザイナーが、DMはがきやDM用チラシのデザインを直接担当します。はがき片面のデザイン料は税抜8,000円、両面は12,000円の定額で、修正は同じ企画の範囲なら無制限です。なお、DMの発送代行は行っていないため、発送はお客様ご自身か発送サービスをご利用ください。DMの内容や効果測定の入れ方についても、LINEやメールでお気軽にご相談いただけます。DMのデザインについてはDM制作のご案内をご覧ください。費用の目安は料金シミュレーターで確認できます。
よくある質問
DMの反応率の平均はどのくらいですか?
送る相手によって大きく異なります。一般に、既存のお客様向けのDMは数%程度、新規の相手に送るDMは1%に満たないことが多いと言われます。日本政策金融公庫の資料を出典に「既存客5〜15%、新規0.5〜1%」とする目安も広く紹介されています。業種や内容でも変わるため、自分の前回の結果と比べて改善していくことが大切です。
DMの反応率はどうやって計算しますか?
反応数を発送数で割り、100をかけて計算します。たとえば1,000通送って15件の反応があれば1.5%です。あわせて、総費用を反応数で割った1件あたりの獲得費用(CPA)も確認すると、費用対効果が分かります。
DMの効果測定は何から始めればいいですか?
まず何を反応とするか(来店、予約、問い合わせなど)を決め、DMに「このはがきをご持参ください」などの一文やクーポン番号を入れて、DMからの反応だと分かるようにしましょう。DMを見てネットで調べる人も多いため、DM専用のQRコードや「何を見て来られましたか」という聞き取りもあわせて行います。
DMの開封率の平均はどのくらいですか?
日本メーリングサービス協会の「DMメディア実態調査2025」(2026年5月公表)では、自分宛てのDMの開封・閲読率は56%、何らかの行動をとった割合は15.2%でした。それ以前の日本ダイレクトメール協会の調査では、2013〜2023年は63.1〜81.5%で推移していました(実施団体が異なるため単純比較はできません)。
はがきDMは何件反応があれば元が取れますか?
「総費用÷1件あたりの粗利」で計算します。たとえば500通送る場合、デザイン料8,000円(反響堂のはがき片面)と郵便料金42,500円(1通85円)だけで50,500円です。1件あたりの粗利が5,000円なら、印刷費を除いても11件(反応率2.2%)が必要になります。


