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デザインのコツ

チラシの著作権・肖像権|使っていい画像・フォント・地図の見分け方

公開日 |反響堂 代表デザイナー(歴22年)

チラシを作るとき、ネットで見つけたイラストや写真、地図などを「少しだけなら」と使ってしまっていませんか。チラシはお店や会社の宣伝に使う印刷物なので、著作権や肖像権のトラブルが起きると、刷り直しや信用の低下につながりかねません。この記事では、チラシの著作権について基本的な考え方を整理し、使っていい素材の見分け方を、画像・フォント・地図・写真・AI画像の種類別に分かりやすく解説します。

結論:チラシの著作権は「自分で作った・許可を取った・規約で認められた」素材だけが安全

チラシの著作権について、まず覚えておきたい考え方はシンプルです。チラシに使ってよいのは、次の3つのどれかに当てはまる素材だけだと考えましょう。

  1. 自分(自社)で撮影・作成したもの
  2. 権利を持っている人から、チラシへの使用について許可を得たもの
  3. 利用規約で、商用利用や印刷物への使用が認められているもの

著作権は、文章・写真・イラスト・音楽などの作品が作られた時点で自動的に発生する権利です。登録や「©」マークがなくても、作品には原則として著作権があります。つまり、ネット上で公開されている画像は、特に断りがない限り「自由に使っていいもの」ではありません。

チラシは、多くの人の目に触れる宣伝物です。一度印刷して配ってしまうと回収は難しく、問題が見つかった場合には、刷り直しや配布の中止、権利者への対応などが必要になることもあります。「たぶん大丈夫」ではなく、「使ってよいと確認できたものだけを使う」という姿勢が大切です。

本記事は一般的な情報で、法的助言ではありません。最新の制度・個別の判断は公式情報や専門家にご確認ください。

チラシで問題になりやすい素材の種類

チラシづくりで権利の確認が必要になる主な素材と、確認のポイントをまとめました。

素材関係する主な権利確認のポイント
ネットで見つけた画像・イラスト著作権作者の許可や、利用を認める規約があるか
キャラクター・ロゴ著作権、商標権など権利者の許可なく宣伝に使っていないか
有名人・人物の写真著作権、肖像権、パブリシティ権撮影者と写っている人、両方の了承があるか
フリー素材・テンプレート著作権(利用規約で許諾)商用利用・加工・クレジット表記などの条件
フォントフォントの使用許諾(ライセンス)商用利用や印刷物への使用が認められているか
地図著作権、地図サービスの利用規約印刷物への利用条件、出典の表記
AIで作った画像既存の作品の著作権、ツールの利用規約既存の作品に似ていないか、商用利用できるか

以下、それぞれの素材について、もう少し詳しく見ていきます。

ネットの画像・キャラクター・有名人の写真の扱い

ネットの画像は「使えない」が前提

検索して出てきた画像や、他のお店のホームページ・SNSの写真を、許可なくチラシに使うのは避けましょう。「出典を書けば大丈夫」と思われがちですが、出典を書いたからといって使用が許されるわけではありません。

著作権法には、一定の条件を満たせば他人の作品を使える「引用」という考え方があります。ただし、引用が認められるには、自分の文章が主で引用部分が従であること、引用部分がはっきり区別されていることなど、いくつもの条件があります。宣伝のために画像を目立つように使うチラシでは、引用として認められるのは難しいと考えておくのが無難です。

キャラクターやロゴは宣伝に使わない

アニメや漫画のキャラクター、スポーツチームや企業のロゴなどは、著作権のほか商標権などで保護されていることがあります。季節のイベントに合わせて人気キャラクターを入れたくなることもありますが、権利者の許可がない限り、チラシに使うのはやめましょう。手描きで似せたイラストでも、問題になる可能性があります。

有名人の写真には別の権利もある

有名人の写真には、写真を撮った人の著作権に加えて、写っている本人の肖像権や、名前や姿が持つ集客力を守る「パブリシティ権」が関わります。雑誌やネットの写真を切り抜いて使うのはもちろん、「◯◯さんも愛用」のように有名人の名前を無断で宣伝に使うことも避けましょう。

チラシの著作権フリー素材とテンプレートの利用規約の読み方

「著作権フリー」「無料素材」と書かれた素材サイトは便利ですが、「どんな使い方をしても自由」という意味ではないことが多いです。多くの場合、著作権は作者に残ったまま、利用規約の範囲で使うことが許されている、という仕組みです。

利用規約で確認したい5つの項目

  • 商用利用:お店や会社の宣伝に使えるか
  • 印刷物への使用:ウェブだけでなく、チラシなどの印刷物に使えるか
  • 加工:色を変える、切り抜く、文字を重ねるなどの加工が許されているか
  • クレジット表記:作者名やサイト名の表記が必要か
  • 禁止事項:ロゴや商標への使用、使用点数の上限、特定の業種での使用などの制限がないか

デザイン作成ツールやアプリに入っているテンプレートや素材も同じです。多くのツールで商用利用が認められていますが、「素材をそのまま再配布しない」「ロゴとして商標登録しない」などの条件が付いていることがあります。規約は変更されることもあるため、使う時点の規約を確認し、必要ならその画面を保存しておくと安心です。アプリでのチラシ作りについてはCanvaでチラシを作るときの注意点も参考にしてください。

フォントの商用利用の確認

見落とされやすいのがフォント(書体)です。フォントにも使用許諾(ライセンス)があり、使える範囲が決められています。無料で配布されているフォントの中には、個人の非営利利用に限られるものや、商用利用には別途ライセンスが必要なものもあります。

  1. フォントの配布元のページや、付属の利用規約を確認する
  2. 「商用利用可」「印刷物に使用可」と明記されているかを見る
  3. ロゴへの使用や改変に制限がないか確認する
  4. 有料フォントは、契約しているプランで商用利用できるかを確認する

パソコンに最初から入っているフォントも、ライセンスの内容はフォントごとに異なります。気になる場合は、フォントの提供元の情報を確認しましょう。フォントの選び方はチラシの文字サイズとフォントの選び方で紹介しています。

チラシの地図の載せ方(地図サービスの規約)

お店の場所を案内する地図は、チラシに欠かせない要素のひとつです。ただ、地図にも著作権があり、地図サービスには利用規約があります。

地図サービスの画面をそのまま使う場合

ネットの地図サービスの画面をチラシに使う場合は、そのサービスの利用規約で印刷物への利用が認められているか、どのような条件(出典の表記、改変の禁止など)があるかを確認する必要があります。サービスによって条件は異なり、変更されることもあるため、必ず最新の規約を確認しましょう。国の機関が提供する地図でも、使い方によっては出典の明示や申請が必要になる場合があります。

チラシ用の案内図を新たに描く

チラシでは、細かい地図よりも、最寄り駅や大きな道路、目印になる建物だけを描いた簡単な案内図のほうが、かえって分かりやすいことが多いです。ただし、既存の地図をそのままなぞって描き写すと、元の地図の著作権に触れるおそれがあります。自分で道順を確認し、必要な情報だけを選んで一から描くようにしましょう。地図の横に、住所と「◯◯駅から徒歩◯分」のような文章での案内を添えると、さらに親切です。

お客様・スタッフの写真と肖像権

お客様やスタッフの笑顔の写真は、チラシに親しみやすさや安心感を与えてくれます。ただし、写っている人には肖像権があります。肖像権は、自分の顔や姿を無断で撮影されたり、公開されたりしないという考え方で、法律に明記された権利ではありませんが、裁判例を通じて認められています。

写真を使う前に確認したいこと

  • チラシに掲載することを本人に伝え、了承を得る(できれば書面やメールなど記録に残る形で)
  • 使う媒体(チラシ、ホームページ、SNSなど)と、おおよその使用期間を伝える
  • お子さんの写真は、保護者の了承を得る
  • スタッフが退職した場合の扱い(次の刷り直しから差し替えるなど)を決めておく
  • 背景に写り込んだ通行人や他のお客様が分かる場合は、ぼかすか別の写真を使う

イベントの様子を撮影する場合は、「撮影した写真をチラシやホームページに使う場合があります」と事前に案内しておくと、トラブルを防ぎやすくなります。写真の撮り方についてはチラシの写真の撮り方でも紹介しています。

AIでチラシの画像を作るときの著作権の注意点

最近は、生成AIを使ってチラシのイラストや写真風の画像を作る方も増えています。便利な一方で、AIと著作権の関係は国でも考え方が示されつつあり、議論が続いている分野です。現時点で気をつけたいポイントは次のとおりです。

  • 既存の作品に似ていないか確認する:特定のキャラクターや作家の作品に似た画像ができた場合、それを使うと著作権の問題になるおそれがあります。
  • ツールの利用規約を確認する:生成した画像を商用利用できるか、条件があるかはツールによって異なります。
  • 実在の人物に似せない:有名人など実在の人物を思わせる画像は、肖像権やパブリシティ権の点からも避けましょう。
  • 事実と違う印象を与えない:AIで作った料理や店内の画像を、実物のように見せるのは、お客様の誤解につながります。

AIで作った画像は、イメージを伝える補助として使い、商品やお店の写真は実物を使うのが安心です。AIを使ったチラシ作りについてはAIでチラシを作る方法と注意点で詳しく解説しています。

チラシの素材チェックリスト

  • ネットで拾った画像やキャラクターを使っていない
  • フリー素材・テンプレートの規約で商用利用と印刷物への使用を確認した
  • フォントの商用利用を確認した
  • 地図は規約を確認したか、自分で一から描いた
  • 写っている人から掲載の了承を得た
  • AI画像は規約を確認し、既存作品や実在の人物に似ていない

反響堂に頼む場合の目安

反響堂では、使用する写真やイラスト、フォントについて、利用条件を確認したうえでデザインしています。お手持ちの写真がない場合も、どのような写真を用意すればよいかをご相談いただけます。デザイン料は税込でA5片面10,000円、A4片面15,000円からの定額で、修正は同じ企画の範囲なら無制限です。素材の使い方に不安がある場合も、LINEやメールでお気軽にご相談ください。費用の目安は料金シミュレーターで確認できます。

よくある質問

ネットで見つけた画像は、出典を書けばチラシに使えますか?

出典を書いただけでは使用は認められません。ネット上の画像にも原則として著作権があり、作者の許可や、商用利用を認める利用規約がない限り、チラシには使わないのが基本です。

著作権フリーの素材なら自由にチラシに使えますか?

著作権フリーでも、商用利用の可否、加工の可否、クレジット表記の要否、使用点数の上限などの条件が決められていることがあります。使う前に利用規約を確認しましょう。

お客様の写真をチラシに載せても大丈夫ですか?

写っている方の了承を得ることが必要です。チラシやホームページなど使う媒体と期間を伝え、できれば記録に残る形で了承をもらいましょう。お子さんの場合は保護者の了承を得てください。

チラシづくり、プロに任せてみませんか?

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