お店の告知やイベント、地域のお知らせなど、ポスターは「貼っておくだけで多くの人の目に触れる」便利な販促物です。ただし、手に取って読んでもらうチラシとは、作り方の考え方がまったく違います。この記事では、ポスターの作り方を、サイズの選び方、遠くからでも目立つデザインのコツ、パソコンやスマホでの作り方、印刷の選び方、貼る場所のルールまで、順を追って分かりやすく解説します。
結論:ポスターの作り方は「3メートル先から3秒で伝わるか」で考える
ポスターの作り方で最も大切なのは、「通りがかりの人が、少し離れた場所から、短い時間で内容をつかめるか」という視点です。ポスターは、立ち止まってじっくり読まれることはあまりありません。多くの人は歩きながら、数秒だけ目を向けて通り過ぎていきます。
そこでおすすめなのが、「3メートル先から3秒で伝わるか」という目安です。厳密な決まりではありませんが、この基準で考えると、載せる情報の量や文字の大きさが自然と決まってきます。
3秒で伝えられるのは、せいぜい「何の知らせか」「いつ・どこで」「気になったらどうするか」くらいです。それ以上の詳しい内容は、近づいた人が読む小さな文字や、QRコードの先のページに任せましょう。
この記事の要点
- ポスターは「3メートル先から3秒」で伝わる情報量に絞る
- サイズは貼る場所と見る距離で選ぶ。店頭や掲示板ではA2〜B2がよく使われる
- 主役は1つ。タイトルを大きく、要素は少なく、色の差をはっきりさせる
- 印刷は枚数・大きさ・貼る場所(屋内か屋外か)で方法を選ぶ
- 屋外や公共の場所に貼るときは、管理者の許可と地域のルールを確認する
ポスターのサイズ一覧(A判・B判)と用途
ポスターのサイズには、主にA判とB判の2つの系列があります。数字が1つ小さくなるごとに、面積はおよそ2倍になります。ポスターでよく使われるサイズを一覧にまとめました。
| サイズ | 仕上がり寸法 | 主な用途の例 |
|---|---|---|
| A3 | 297×420mm | 店内の壁、レジ横、小さな掲示板 |
| B3 | 364×515mm | 店頭のガラス面、町内の掲示板 |
| A2 | 420×594mm | 店頭、施設の入口、イベントの告知 |
| B2 | 515×728mm | 駅や商業施設の掲示、店頭の大きな告知 |
| A1 | 594×841mm | 大きな壁面、展示会、学会発表 |
| B1 | 728×1030mm | 大型の掲示、イベント会場 |
サイズを選ぶときは、次の3つを考えます。
- 貼る場所の広さ:掲示板やガラス面に収まるか。実際に寸法を測っておくと安心です。
- 見る人との距離:遠くから見られる場所ほど、大きなサイズが必要になります。
- 枚数と予算:大きくなるほど印刷費も上がります。多くの場所に貼るなら、少し小さめで枚数を確保する考え方もあります。
公共施設や商業施設の掲示板には、貼れるサイズの決まりがあることも多いので、事前に確認しておきましょう。チラシも含めたサイズの考え方はチラシのサイズの選び方でも紹介しています。
チラシとポスターのデザインの違い
チラシとポスターは、どちらも紙の販促物ですが、見られ方がまったく違います。チラシの作り方をそのまま大きくしても、良いポスターにはなりません。
| チラシ | ポスター | |
|---|---|---|
| 見る距離 | 手元(30〜40cm程度) | 数メートル離れた場所から |
| 見る時間 | 手に取れば、ある程度読んでもらえる | 通りがかりの数秒 |
| 情報量 | 料金や地図など、比較的多く載せられる | 要点だけに絞る |
| 持ち帰り | 手元に残る | その場で覚えてもらうか、スマホで撮ってもらう |
チラシは「読んでもらう」もの、ポスターは「見て気づいてもらう」もの、と考えると違いが分かりやすいでしょう。ポスターでは、細かい説明文はほとんど読まれないと考え、写真やイラスト、大きなタイトルで一瞬のうちに内容を伝える工夫が求められます。
遠くから読める文字とレイアウトのコツ
ポスターのデザインのコツは、「減らす」「大きくする」「差をつける」の3つに集約できます。
1. 主役を1つに決める
ポスターの中で最も目立たせるものを1つだけ決めます。イベント名、商品の写真、キャッチコピーなど、何が主役かが一目で分かることが大切です。主役が2つも3つもあると、どれも印象に残りません。
2. タイトルは思い切って大きく
タイトルやキャッチコピーは、自分が思っているよりも大きくするくらいでちょうどよくなります。画面で作っていると十分に大きく見えても、実際に壁に貼って離れて見ると小さく感じることがよくあります。
3. 文字は太めの書体で、行数を少なく
細い書体や装飾の多い書体は、離れると読みにくくなります。遠くから読ませたい文字は、太めのゴシック体など、くっきりした書体が向いています。1行の文字数も短くし、改行を工夫しましょう。
4. 背景と文字の色の差をはっきりさせる
明るい背景には濃い文字、暗い背景には白い文字と、明るさの差をしっかりつけます。写真の上に文字を載せる場合は、文字の後ろに帯を敷くなどして、読みやすさを確保しましょう。
5. 情報は上から「何・いつ・どこ・どうする」の順に
レイアウトは、上から順に「何の知らせか」「日時」「場所」「問い合わせ先」と並べると、短い時間でも理解しやすくなります。詳しい内容はQRコードでホームページにつなげ、紙面には載せすぎないようにします。
6. 余白を恐れない
空いているスペースを埋めたくなる気持ちは分かりますが、余白があるほど主役が際立ちます。周りに貼られた他のポスターの中で目立つためにも、すっきりした構成が効果的です。
7. 仕上げに「離れて見る」確認をする
デザインができたら、必ず離れた場所から見て確認します。A2やB2のポスターなら、A4やA3に縮小して印刷し、それに合わせて近い距離から見るだけでも、全体の印象はつかめます。できれば実物大で1枚刷り、実際に貼る予定の場所に仮に貼ってみましょう。周りの明るさや、ほかの掲示物との並び方によって、見え方は大きく変わります。
パソコン・スマホでのポスターの作り方と注意点
ポスターは、パソコンのソフトやスマホのアプリでも作れます。作り方の流れは次のとおりです。
- 貼る場所と見る距離から、サイズを決める
- 伝えたい要点を3つ程度に絞り、主役を決める
- 作りたいサイズで新しいデータを作る(塗り足しも設定する)
- タイトル、写真、日時、連絡先の順に大まかに配置する
- 実際の大きさ、または縮小して印刷し、離れて見て確認する
- 文字の誤り、日付と曜日、連絡先を確認して、印刷用に書き出す
作るときの注意点
- 写真の解像度:ポスターは大きく印刷するため、写真の画質が足りないと粗さが目立ちます。印刷する大きさで350dpi程度が一つの目安ですが、大判の場合は印刷会社が推奨する解像度を確認しましょう。
- 塗り足し:紙の端まで色や写真を入れる場合は、仕上がりサイズより上下左右3mmずつ大きく作ります。
- 色の違い:印刷はCMYKで表現されるため、画面で見た鮮やかな色が、少し落ち着いた色に仕上がることがあります。
- スマホで作る場合:画面が小さいため、全体の見え方や文字の大きさのバランスがつかみにくくなります。途中でパソコンの画面や紙で確認するのがおすすめです。
無料のツールの選び方はチラシ作成アプリと無料テンプレートの選び方で詳しく紹介しています。
ポスター印刷の選び方(1枚から・大判・屋外用)
ポスターの印刷方法は、枚数と大きさ、貼る場所によって選びます。
| 方法 | 向いているケース | ポイント |
|---|---|---|
| 家庭用・オフィスのプリンター | A3以下を数枚だけ | 手軽だが、大きなサイズは印刷できないことが多い |
| コンビニのマルチコピー機 | A3程度までを少しだけ | すぐに印刷できる。使えるサイズや形式は店舗の機械による |
| 印刷会社の大判印刷 | A2以上を1枚から数十枚 | インクジェットで大きく印刷できる。1枚から頼めるところが多い |
| 印刷会社のオフセット印刷など | 同じポスターを多く刷る | 枚数が多いほど1枚あたりが安くなりやすい |
店頭の窓ガラスの外側や屋外の掲示板に貼る場合は、雨や日光に強い素材や加工を選びましょう。耐水性のある合成紙や、表面を保護する加工(ラミネートなど)がよく使われます。屋外に貼ったまま長く置くと、紙のポスターは色あせたり、波打ったりしやすくなります。
屋内に貼るポスターなら、写真がきれいに見える光沢のある紙と、照明が反射しにくく落ち着いた印象のマットな紙から選ぶのが一般的です。照明の真下やガラス越しに貼る場合は、反射で見えにくくならないか、紙の質感も考えておきましょう。
印刷の方式による違いはオンデマンド印刷とオフセット印刷の違いで詳しく解説しています。
貼る場所のルールとマナー(屋外広告物のきまり)
ポスターは、どこにでも自由に貼ってよいわけではありません。自分のお店の中や、自分の敷地に貼る場合を除き、必ず確認しておきたいことがあります。
他人の場所に貼るときは、管理者の許可を得る
他のお店、公共施設、商業施設、町内の掲示板などに貼るときは、その場所の管理者の許可が必要です。掲示できる期間やサイズ、貼り方が決められていることも多いので、事前に確認しましょう。掲示期間が終わったら、自分で回収するのがマナーです。
屋外に貼るポスターには、屋外広告物のきまりがある
屋外で人の目に触れる広告物は、屋外広告物法と、それにもとづく都道府県や市区町村の条例で、景観や安全のためのルールが定められています。地域によっては、屋外に広告を出すときに許可が必要だったり、電柱や街路樹、ガードレールなどへの掲示が禁止されていたりします。
自分の店舗の外壁や窓に貼る場合でも、大きさや地域によっては条例の対象になることがあります。屋外に貼る予定があるときは、お住まいの自治体のルールを確認しておくと安心です。
許可なく貼ると、トラブルのもとに
許可を得ずに他人の建物や塀、電柱などにポスターを貼ると、法律や条例に反するおそれがあるだけでなく、お店の評判を下げることにもつながります。「貼っていい場所か分からない」ときは、貼らないのが基本です。
本記事は一般的な情報で、法的助言ではありません。最新の制度・個別の判断は公式情報や専門家にご確認ください。屋外広告物のルールは地域によって異なるため、掲示する場所の自治体の情報をご確認ください。
ポスターのデザインを頼むときの料金目安
ポスターのデザインをプロに頼む場合の料金は、依頼先やサイズ、どこまで任せるかによって大きく変わります。一般的には、個人のデザイナーやデザインサービスで数万円程度から、デザイン制作会社で企画から任せると10万円を超えることもある、というのがひとつの目安です。
料金に影響しやすいのは、次のような要素です。
- サイズ(大きいほど、写真の処理や細部の調整に手間がかかる)
- キャッチコピーや文章づくりまで任せるか
- 写真撮影やイラスト作成が必要か
- 修正の回数や、納期の急ぎ具合
- チラシなど、同じデザインで展開するものがあるか
イベントの告知では、ポスターとチラシを同じデザインでそろえると、見かけた人の記憶に残りやすくなります。ポスターで気づいてもらい、チラシを持ち帰ってもらう、という組み合わせも効果的です。イベント告知物の考え方はイベント・催しのチラシ制作のページでも紹介しています。
反響堂に頼む場合の目安
反響堂では、デザイナー歴22年の個人デザイナーが直接担当します。ポスターのデザイン料は税込でB3ポスター32,000円、A2ポスター40,000円、A3片面25,000円の定額で、同じ企画の範囲なら修正は回数無制限です。同じデザインでチラシも作りたい場合も、まとめてご相談いただけます。料金は料金シミュレーターで確認でき、ご相談はLINEとメールで受け付けています。
よくある質問
ポスターのサイズはどれを選べばよいですか?
貼る場所の広さと、見る人との距離で選びます。店内の壁ならA3、店頭のガラス面や掲示板ならB3やA2、駅や大きな施設の掲示ならB2がよく使われます。掲示板にサイズの決まりがある場合もあるので、事前に確認しましょう。
ポスターのデザインで一番大切なことは?
少し離れた場所から、短い時間で内容が伝わることです。主役を1つに決め、タイトルを大きく、太めの書体で、背景と文字の明るさの差をはっきりさせます。詳しい情報はQRコードの先に任せ、紙面の情報は絞りましょう。
ポスターはどこに貼ってもよいのですか?
自分のお店や敷地以外に貼るときは、その場所の管理者の許可が必要です。また屋外の広告物には、屋外広告物法と自治体の条例によるルールがあり、電柱などへの掲示が禁止されている地域もあります。自治体の情報を確認してください。