「お店のチラシを自分で作ってみたいけれど、何から手をつければいいのか分からない」。そんな方に向けて、チラシの作り方を6つのステップに分けて解説します。いきなりデザインを始めるのではなく、目的と相手を決めるところから順番に進めるのが、失敗しないいちばんの近道です。パソコンやアプリでの作成手順、見やすく作るコツ、印刷前のチェックポイントまで、この記事ひとつで一通り分かるようにまとめました。
結論:チラシの作り方は「目的→相手→中身→型→デザイン→印刷」の順番
チラシの作り方でいちばん大切なのは、作業の順番です。多くの人が、最初にパソコンやアプリを開いて、色や飾りから考え始めてしまいます。しかし、それでは「きれいだけど何を伝えたいのか分からないチラシ」になりがちです。
チラシ作成の手順は、次の6つのステップで考えると迷いません。
- 目的とゴールを1つに決める
- 誰に届けるかを具体的に決める
- 載せる情報を洗い出して優先順位をつける
- サイズと配り方から紙面の型を決める
- デザインする
- 印刷前にチェックして発注する
ステップ1から3は、パソコンを使わず紙とペンでできる作業です。ここをしっかり固めておくと、デザインの段階で手が止まりにくくなり、仕上がりにも大きな差が出ます。
この記事の要点
- デザインは6ステップのうち5番目。先に目的・相手・中身を決める
- ゴールは「電話」「来店」「予約」などから1つに絞る
- 載せる内容は優先順位をつけ、いちばん伝えたいことを大きく
- 印刷用データは塗り足し3mm、画像は原寸で350dpi程度が目安
- 迷う時間が長いなら、途中からプロに任せるのも一つの方法
ステップ1:目的とゴール(電話・来店・予約)を1つに決める
最初に決めるのは、「このチラシを読んだ人に、何をしてほしいか」です。チラシの目的は、きれいな紙を配ることではなく、読んだ人に行動してもらうことです。
ゴールの例としては、次のようなものがあります。
- 電話で予約してほしい
- お店に来てほしい
- LINEの友だち登録をしてほしい
- ホームページで詳しく見てほしい
- 見学会やイベントに参加してほしい
ここで大事なのは、ゴールを1つに絞ることです。「電話もLINEも来店もホームページも」と全部を同じ大きさで並べると、読む人はどれを選べばよいか迷ってしまいます。連絡手段を複数載せること自体は問題ありませんが、いちばん目立たせる行動は1つに決めておきましょう。
あわせて、「いつまでに」「何件くらい」という目安も考えておくと、配布後に効果を振り返りやすくなります。
ステップ2:誰に届けるかを具体的に決める
次に、チラシを読んでほしい相手を決めます。「近所の人みんな」ではなく、できるだけ具体的な一人を思い浮かべるのがコツです。
たとえば整体院なら、「デスクワークで肩こりに悩む40代の会社員」と「ひざの痛みで散歩がつらくなった70代」では、響く言葉も文字の大きさもまったく違います。前者には仕事帰りに寄れる営業時間が、後者には読みやすい大きな文字と駐車場の有無が大切になるでしょう。
相手を決めるときは、次のような点を書き出してみてください。
- 年齢や家族構成、住んでいる地域
- どんなことに困っているか、何を求めているか
- ほかのお店と比べるとき、何を気にしそうか
- チラシをどこで、どんな気持ちで手に取るか
相手がはっきりすると、キャッチコピーや写真の選び方が自然と決まってきます。
ステップ3:載せる情報を洗い出して優先順位をつける
チラシに載せる内容は、思いつくままに書き出してから、優先順位をつけて整理します。一般的に載せることが多い項目は、次のとおりです。
| 項目 | 内容の例 | 優先度の目安 |
|---|---|---|
| キャッチコピー | 相手の悩みや得られることを一言で | 最優先 |
| 商品・サービスの内容 | 何をしてくれるお店なのか | 高い |
| 選ばれる理由・特長 | ほかとの違いを3つ程度 | 高い |
| 料金 | 目安の金額やコース | 高い |
| 特典・期限 | 初回特典、使える期間 | 中くらい |
| 店名・連絡先 | 電話番号、LINE、QRコード | 必須 |
| 場所・地図 | 住所、目印、駐車場 | 必須 |
| 営業時間・定休日 | 予約の可否も | 必須 |
書き出したら、いちばん伝えたいことを1つ選びます。それが紙面でいちばん大きく扱う要素になります。反対に、優先度が低いものは思い切って削るか、ホームページに任せましょう。
情報を詰め込みすぎると、どれも小さな文字になり、結局どれも読まれません。「余白がもったいない」と感じても、読みやすさのほうが大切です。余白があることで、大切な情報がかえって目に入りやすくなります。
ステップ4:サイズと配り方から紙面の型を決める
中身が決まったら、サイズと配り方を決めます。サイズは、配り方と載せる情報量から選ぶのが基本です。
| サイズ | 仕上がり寸法 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| A5 | 148×210mm | 手渡し、店頭、情報が少なめのお知らせ |
| B5 | 182×257mm | ポスティング、手配り |
| A4 | 210×297mm | ポスティング、新聞折込、情報量が多いとき |
| B4 | 257×364mm | 新聞折込、写真を大きく見せたいとき |
迷ったときは、扱いやすく印刷の選択肢も多いA4が無難です。サイズの選び方はチラシのサイズの選び方で詳しく紹介しています。
サイズが決まったら、紙面の「型」をざっくり決めます。人の視線は、横書きなら左上から右下へ、縦書きなら右上から左下へ流れやすいと言われます。一般的には、上部にキャッチコピーと大きな写真、中ほどに特長や料金、下部に連絡先と地図、という配置が読みやすい型です。
片面にするか両面にするかも、ここで決めます。表面だけで要点が伝わるようにし、裏面には詳しいメニューや地図などを載せる、という分け方が分かりやすいでしょう。
ステップ5:デザインする(道具の選び方:Word・Canva・プロ依頼)
ここで初めてデザインの作業に入ります。チラシをパソコンで作る場合、主な道具は次の3つです。
| 方法 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| WordやPowerPoint | 使い慣れたソフトで手早く作りたい人 | 印刷所によっては入稿できる形式に制限があるため、PDFで書き出せるか確認する |
| Canvaなどのデザインツール | テンプレートを使っておしゃれに作りたい人 | テンプレートが他店とかぶりやすい。印刷用の設定で書き出す |
| プロに依頼 | 時間がない人、反応を重視したい人 | 費用がかかる。原稿や目的を伝える準備が必要 |
無料で使えるツールの選び方はチラシ作成アプリの選び方で解説しています。どの道具を選ぶにしても、最初に「印刷用のデータとして書き出せるか」を確かめておくと、最後の段階で慌てずに済みます。
見やすく作るための5つのコツ
どの道具を使う場合でも、次のコツを押さえると見やすいチラシになります。
- キャッチコピーは大きく短く:遠目にも一瞬で意味が分かる長さにします。
- 使う色は3色程度に絞る:ベースの色、メインの色、目立たせたい所の色、という考え方です。
- 書体は2種類までにする:見出し用と本文用で十分です。書体が多いと散らかって見えます。
- 余白をしっかり取る:要素と要素の間を空けるだけで、ぐっと読みやすくなります。
- 写真は明るく、主役を大きく:小さな写真をたくさん並べるより、1枚を大きく使うほうが伝わります。
また、文字の大きさにも注意しましょう。本文が小さすぎると、特に年配の方には読まれにくくなります。作りながら、実際の大きさで印刷して手に取って確かめるのがおすすめです。デザインのコツはチラシデザインのコツでさらに詳しく紹介しています。
ステップ6:印刷前チェックと発注
デザインができたら、印刷に出す前に必ずチェックします。一度印刷してしまうと、間違いがあっても刷り直すしかありません。
内容のチェック
- 電話番号、住所、営業時間、料金に誤りはないか
- 日付と曜日が合っているか
- 誤字脱字がないか(声に出して読むと見つけやすい)
- QRコードが正しいページにつながるか
- 自分以外の人にも読んでもらったか
印刷用データのチェック
- 塗り足し:紙の端まで色や写真を入れる場合は、仕上がりサイズより上下左右3mmずつ大きく作ります。
- 文字の位置:断裁のずれに備え、大切な文字は紙の端から3〜5mm以上内側に置きます。
- 画像の解像度:写真は、実際に印刷する大きさで350dpi程度あるのが目安です。ネットから保存した小さな画像は粗く印刷されます。
- 色の設定:印刷はCMYKという4色のインクで表現します。画面で見るRGBの色より、鮮やかな色がややくすんで見えることがあります。
- ファイル形式:多くの印刷会社はPDFでの入稿に対応しています。印刷会社の入稿ガイドを事前に確認しましょう。
チェックが済んだら、部数、紙の種類、納期を決めて発注します。チラシでよく使われるのは、光沢のあるコート紙の90kg前後です。部数が多いほど1枚あたりの単価は下がりますが、配りきれない量を刷っても無駄になります。配布の計画に合わせて部数を決めましょう。
初心者がつまずきやすいポイントと、プロに頼んだほうが早いケース
初めてチラシを作る人がつまずきやすいのは、次のような点です。どれも珍しい失敗ではなく、慣れている人でも油断すると起こります。
情報を全部載せようとしてしまう
伝えたいことが多いほど、1つひとつが小さくなり、結局何も伝わらなくなります。「このチラシでは、これだけ伝われば十分」と割り切ることが大切です。
自分目線の言葉になってしまう
「最新の機械を導入」「こだわりの技術」といった言葉は、作り手には大事でも、読む人には響きにくいことがあります。「それによって、読む人にどんな良いことがあるか」に言い換えてみましょう。
画面では良く見えたのに、印刷すると印象が違う
画面と紙では、色の見え方も文字の大きさの感じ方も違います。途中で一度、家庭用のプリンターでもよいので原寸で印刷して確認すると、失敗を防げます。
作業に時間がかかりすぎる
慣れないうちは、1枚のチラシに何日もかかることがあります。本業の時間が削られてしまうなら、その時間のコストも考えておきたいところです。たとえば、接客や施術に使えたはずの時間を丸2日チラシ作りに使った場合、その2日分の売上や休息も、見えない費用の一部です。
配ったあとに振り返らない
チラシは一度作って終わりではありません。配布した枚数、配った地域、問い合わせの件数をメモしておくと、次に作るときの改善点が見えてきます。「チラシを見た」と言ってくれたお客様に、どこが目に留まったかを聞いてみるのも良い方法です。電話口で「何をご覧になりましたか」と一言たずねるだけでも、次の作り方のヒントになります。
プロに頼んだほうが早いケース
自分で作るのは費用を抑えられる良い方法ですが、次のような場合はプロに頼むほうが結果的に早く、確実なこともあります。
- 配布日が迫っていて、作る時間が取れない
- 何千部も配るので、反応の差が大きな金額の差になる
- 新規開店など、第一印象がとても大切な場面
- 何度作っても、見やすくまとまらない
- 印刷用データの作り方がよく分からない
自分で作る場合とプロに頼む場合の違いはチラシは自作とプロ依頼どちらがいい?で比べています。ステップ1から3で整理した目的・相手・載せる内容のメモは、プロに頼むときにもそのまま役立ちます。手書きのメモでも、デザイナーにとっては大切な設計図になります。
反響堂に頼む場合の目安
反響堂では、デザイナー歴22年の個人デザイナーが直接担当します。デザイン料は税込でA4片面15,000円、A5片面10,000円などのサイズ別の定額で、同じ企画の範囲なら修正は回数無制限です。印刷込みならA4片面1,000部で19,500円(標準納期・コート90kg・送料込み、時期により変動する目安)です。ほかの条件は料金シミュレーターで確認でき、手書きのメモからのご相談もLINEで受け付けています。
よくある質問
チラシは何から作り始めればよいですか?
最初に「読んだ人に何をしてほしいか」というゴールを1つ決めます。次に届けたい相手を具体的に決め、載せる情報に優先順位をつけてから、サイズ選びとデザインに進むと迷いにくくなります。
チラシはパソコンのどのソフトで作れますか?
WordやPowerPointのほか、Canvaなどのデザインツールでも作れます。印刷会社に入稿する場合は、印刷用のPDFで書き出せるか、塗り足しを付けられるかを事前に確認しておくと安心です。
印刷に出す前に何を確認すればよいですか?
電話番号や料金などの誤字、日付と曜日の一致、QRコードのつながり先を確認します。データ面では、塗り足し3mm、文字を端から離す、写真の解像度(原寸で350dpi程度)、入稿形式を確認しましょう。